両毛新聞が再休刊 “復活”から10カ月 ファンに「申し訳ない」

休刊を伝える15日付の両毛新聞1面

 両毛新聞社(栃木県足利市巴町、川島順一(かわしまじゅんいち)社長)は、足利市内で発行する地域紙「両毛新聞」を15日付で休刊した。1面トップに「89年の歴史に幕引き」の見出しで「休刊のお知らせ」を掲載した。「長期化する新型コロナウイルスまん延による地域経済の停滞、新規購読層の伸びなやみ」などのため新聞発行を断念したと説明している。

 同紙は1932年に創刊した前身の「足利日報」を経て、46年に両毛新聞となり、同市内の政治、経済、行政のニュースや地域の話題などを掲載してきた。

 しかしコロナ禍による広告収入減少の影響を受け2020年5月9日付で休刊。3カ月後の8月3日付から、川島社長が設立した新会社が商号や従業員を継承して再刊し、月~木曜はブランケット判2ページ、金曜は同4ページで週5回発行した。2月にはパソコンやスマホで購読できる電子版の発行も始めていた。

 川島社長は「コロナのせいで広告収入が大きく落ち込んでしまった。購読者を増やすのも難しかった。コアなファンもいたのに、読者の方、地域の方に申し訳ない。今後のことは分からない」と話している。

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