【東京五輪】米CNNがボランティアの悲痛な叫びを特集「リスク高い」「家族を守る」

五輪ボランティアから悲痛な叫びが上がっている

米「CNN」が、新型コロナ禍で強行されようとしている東京五輪のボランティアから上がる悲痛な叫びを特集した。

同局は新型コロナ禍の東京五輪開催に悩む日本在住のボランティアの〝生の声〟を取り上げた。

日本在住の海外出身の語学教師は「私は五輪が大好きだが、新型コロナにかかりたくない。大きな何か(イベント)の一部になることは素晴らしいことだが、リスク要因が現時点では非常に高い」とボランティアの辞退を検討している。

また日本人大学生は辞退をすでに決定。「五輪は人間の生活を軽視している。私たちの生活は正常ではなく、今は非常事態だ。なぜ東京五輪を開催できるのか。五輪の意味はすっかり忘れられている」と開催強行に反対している。

ドイツ日本研究所のバーバラ・ホルタス副署長もボランティアに参加するつもりだったが現在は辞退を検討。「私は自分自身を守る必要がある。私の家族を守る必要がある。これ(東京五輪)が私と私の家族にとって危険になると思うなら、私は辞めるつもりだ」としたうえでこう主張する。

「スポーツイベントを開催するには絶対に時期が間違っている。世界が苦しんでいるときに、それは絶対に間違ったメッセージだ」と世界各国で新型コロナ禍が深刻化している中での開催に異議を唱えた。

こうした状況を踏まえて、オーストラリア・メルボルンにあるバーネット研究所の感染症専門家であるマイク・トゥール氏は「観客がいなくても〝バブル〟にはならない。漏れが多すぎる」と五輪の危険性を指摘。「7万人のボランティアが街から近隣へと移動し、ワクチン未接種の人が大会に参加すればリスクの高いシナリオが予見できる」と警鐘を鳴らした。

国民の生活・生命を危険にさらす東京五輪に参加すれば感染のリスクだけでなく、周囲から白い目で見られかねない。今後もボランティアの辞退が続きそうだ。

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