新潟市北消防署が実車両を使用した交通救助事案対応訓練を実施

新潟市北消防署(新潟市北区)は16日、交通事故現場における迅速な救助活動を行うため、実車両を使用した訓練を実施した。

訓練では、車両2台関与の交通事故で1台の車のドアが開かなくなり車内に足が挟まれて動けない状態の要救助者がいると目撃者から通報があり、もう1台の車の傷病者は首の痛みがあると想定して行われた。

通報を受けて出動した消防隊員は、要救助者を車内から救出するため、専用器具の大型油圧式救助器具を使用して車の助手席側のドアを押し広げて開放。要救助者を車内から救出した後、速やかに救急車へ搬入された。要救助者の搬送後、隊員は車両の特性を見て器具を使用し切断・押し広げ、解体作業を行った。

同署によると、新潟市内での昨年の消防隊による救助件数は142件発生しており、その中の44件が交通事故によるもの。加えて、北区管内では解体工場での車両解体時の火災が多く発生しているという。

このことから、同署は自動車リサイクル業・解体業を行う株式会社共伸商会(新潟市北区)と連携。訓練に使用された実車両は、(株)共伸商会が提供したものである。

新潟市北消防署地域防災課の大泉敏一課長は、「私共消防としては交通事故が発生した際に迅速に対応できるよう日常の訓練に取り組んでいる。また、今後は(株)共伸商会と連携して解体作業による出火原因の追求・調査を行い、情報提供を交わしていくことで事故時や火災時の対応をより迅速かつ安全なものとしていく」と話していた。

© にいがた経済新聞