【新日本】飯伏が狙う7・25東京ドームで王座返り咲き!五輪との相乗効果で「世界に最強アピール」

飯伏は7・25東京ドームで王座返り咲き&世界への最強アピールを狙う

スポーツの祭典にキング・オブ・スポーツは食われない! 新日本プロレスは延期していた東京ドーム大会を、東京五輪期間中の7月25日にスライド開催すると16日に発表した。同大会でIWGP世界ヘビー級王者・鷹木信悟(38)への挑戦が正式決定した飯伏幸太(39)は、王座返り咲きへの決意を本紙に激白。さらに東京ドーム大会の2日前に開幕する五輪との〝相乗効果〟で、新日本プロレスを世界中にアピールする構えだ。

当初は5月29日に開催予定だった東京ドーム大会は、緊急事態宣言の発令などに伴い延期となっていた。発表された振り替え日程は7月25日で、メインでは王者・鷹木と飯伏のIWGP世界戦が実現する。両雄は同い年で内藤哲也(38)とともに「昭和57年会」を結成し、切磋琢磨してきた。

「同い年であれだけ動ける、あの体と動きをキープするのは尊敬するというか。フィジカルも頭もいい。いろいろなプロレスを見ているのは自分と似ている感じですね」と王者を認める飯伏だが、王座奪還への思いは並大抵ではない。

今年新設された同王座の初代王者となりながら、4月4日両国大会の初防衛戦でウィル・オスプレイ(28)に敗れて王座陥落。「防衛ゼロというのは情けない。あそこからスタートのはずだったので。スタートを切ることができなかった」と振り返る。

オスプレイに勝って初めてベルトを腰に巻くつもりだったが、それもかなわなかった。だが志半ばでは終われない。「次勝ったら腰に巻こうかなと。そしてそれ以降は自分の夢である『プロレスを広める』ことをやっていきたい」

さらにもう一つの大きな目標がある。新日本はこの日発表した東京ドーム大会に加え、エディオンアリーナ大阪大会(7月22、23日)、愛知県体育館大会(同24日)とビッグマッチ4連戦となるが、ちょうど23日に開幕する東京五輪の〝真裏〟での王座戦となった。

飯伏には「(ベルトの名前に)『世界』がついているわけだから。世界中にはいろいろなプロレスがあって、僕は日本のプロレスが一番だと思っている。どこの団体と対抗戦をやっても負けないし、クオリティーも負けない。WWEのほうが(規模は)大きいのかもしれないけど、内容では劣ってないと思ってる」という自負がある。それを証明するためのベルトが創設された年に、日本で五輪が開催されることに運命じみたものを感じるという。

一方で東京五輪は開幕まで40日を切っても、開催是非の論議がやむ状況にない。コロナ禍で実際に海外からの観客が日本を訪れることはできなくなったが、さまざまな意味で世界中の視線が日本に集まるタイミングであることも間違いない。飯伏はこれをチャンスととらえる。

「7月25日にやるので、これも見ていってくれよと。五輪もすごいけど、プロレスもすごいよ、どっちも面白いよと。共有したいですよね。負けないことやってるから、見ていってくれと。そのタイミングでチャンピオンになりたいですよ」

〝相乗効果〟で新日本のプロレスが世界一であることを広く発信したいとう。7月25日は競泳の瀬戸大也(27=TEAM DAIYA)が男子400メートル個人メドレーで金メダルの可能性がある他、柔道では男子66キロ級の阿部一二三(23=パーク24)と女子52キロ級の阿部詩(20=日体大)がきょうだいVなるかが注目を集めるのは必至。同時期開催は話題を奪われる可能性もあるが、飯伏は「食われない、食われない。その自信がある。プロレスというジャンルへの自信がある」と胸を張る。

新日本の大張高己社長(46)も、五輪期間中のドーム大会の開催意義をこう語る。「ぶち当てる裏番組みたいな意識は全くないです。キング・オブ・スポーツと言っている新日本ですし、スポーツの祭典で世界から注目される東京の東京ドームで大会をやることで、スポーツ界を盛り上げる一助になれればと思っています」

1年の延期を経て57年ぶりの開催となる東京五輪の真裏で行われるのは、昭和57年生まれ同士の頂上決戦。日本が誇る世界一のプロレスを、海の向こうに届ける絶好の舞台が整った。

【振り替え開催は朗報】新日本は5月4日福岡大会後に複数の参戦選手が新型コロナウイルスの陽性判定を受け、また緊急事態宣言の延長もあり大会の延期・中止が相次いだ。

6月6日に予定していた大阪城ホール大会は大阪府が平日以外のイベント自粛を要請したため、翌7日にスライド。また5月15日に予定された横浜スタジアム大会は振り替えスケジュールの調整を行ってきたが、日程の見通しが立たないため、開催中止となった。

それでも東京ドーム大会の振り替え開催が決定したことは、団体にとって朗報といっていい。さらに9月4、5日に埼玉・メットライフドーム(西武ドーム)大会2連戦を行うことも決定。同会場はG1クライマックスの優勝決定戦が行われた2014年8月の以来、約7年ぶりの再進出となる。真夏のスタジアム決戦から、プロレス界の盟主が底力を見せつけることができるか注目だ。

© 株式会社東京スポーツ新聞社