中日悲痛「野手ゼロは情けない」 日本代表“補欠”に木下拓を猛プッシュ

資格は十分

東京五輪の野球日本代表に大野雄大投手(32)しか選ばれなかった中日で悲痛な叫びが漏れている。与田監督は「チームにとっても本人にとっても誇りだと思う。ウチのチームから選んでいただいたことはすごくうれしい」と感謝を述べたが、球団関係者は「投手陣は12球団トップの防御率を誇っているし、もっと選ばれても良かった。それにしても野手ゼロは情けない」とボヤキ節だ。

捕手はソフトバンク・甲斐と広島・会沢の2選手が内定したものの、会沢は15日の西武戦で左足を痛めて途中交代し、16日に出場選手登録を抹消された。侍ジャパンの稲葉監督は「足を痛めたようなので、球団関係者の報告を待っている最中。話を聞いてから、どうするか決めていきたい」と話すにとどめたが、五輪に出場できるかどうかは微妙な状況だ。

もし、会沢が間に合わないようなら代役は阪神・梅野が有力候補となりそうだが、中日関係者は木下拓哉捕手(29)を猛プッシュ。交流戦を終えて61試合で打率2割7分7厘、6本塁打、23打点をマークしており、チーム関係者は「梅野より木下の方がここまで打率、本塁打、打点すべてで上回っているし、昨年も盗塁阻止率は12球団トップ(4割5分5厘)。大野とともにバッテリー賞を初受賞したし、その資格は十分ある。もし会沢がダメなら絶対木下の方が適任だ」と力説する。

五輪での野球競技は、2008年の北京大会以来、3大会ぶり。当時の中日は12球団最多の5選手(岩瀬、川上、荒木、森野、台湾代表のチェン・ウェイン)を派遣していたとあって、チーム関係者は「前回大会と比べると(大野)雄大一人だけでは寂しい」と嘆く。09年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では代表候補に選出されていた中日選手から辞退者が続出し〝WBCボイコット騒動〟で落合竜が悪者になったが、今の中日は侍ジャパンへの協力は惜しまない。

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