石木ダム事前協議 長崎県、調整難航 反対住民に意向を確認

 長崎県と佐世保市が東彼川棚町に計画する石木ダム建設事業を巡り、県は16日、水没予定地の反対住民13世帯と中村法道知事との対話に向けた事前協議について、住民側に意向を聞いた。住民側はあらためて「工事の中断」を求めたが、県は事前協議時に中断などの条件を詰めたい考えで、調整が難航している。
 県は5月21日、事前協議を提案する文書を送付。住民側は今月4日、工事を即時中断して話し合える環境をつくるよう求める文書を知事宛てに送った。これを受けて県は11日、再び文書を送付。「条件整備の考え方を聞かせてほしい」と、19日午後2時から町中央公民館での協議を申し入れた。
 県は16日までの再回答を求めていたため、県石木ダム建設事務所長らが同日、抗議の座り込み現場で住民に意向を聞いた。住民の岩下和雄さん(74)は「工事が続いている限り現場を離れられない」と工事の中断を口頭で要請した。
 住民側は後日あらためて回答文書を知事宛てに送る方針。県河川課は取材に「条件面の協議は必要と考えているが(口頭での)回答を受けて今後の対応について検討する」と答えた。

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