長崎大ワクチン研究 抗体価上昇 既感染者1回接種で未感染者2回と同等に

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図1 ワクチン接種前後のスパイクタンパクに対する抗体の推移 図2 新型コロナウイルスの構造タンパク

 米ファイザー社製の新型コロナウイルスワクチンについて、長崎大学病院の研究グループは16日、未感染者が2回接種した場合と、既に感染した人が1回接種した場合で、感染を防ぐ力を示す「抗体価」の数値が同等で、予防作用が十分との測定結果を明らかにした。
 同病院検査部の柳原克紀教授(臨床検査医学)らのグループが中間結果として発表した。3月以降、既感染者49人と未感染者113人の血液を採取。ウイルスの表面にあり、細胞にとりつく際に使う突起状のスパイクタンパクに対する抗体の量を測定した。
 測定結果によると、既感染者は抗体価が高く、1回目の接種から7日後にほぼ最高値に達し、2回目の接種では変化がなかった。一方、未感染者は接種7日後から右肩上がりに上昇し、28日後(2回目の接種から7日後)に既感染者と同レベルになった=図1参照=。
 ウイルスの内側にあるヌクレオカプシドタンパクに対する抗体も調べた=図2参照=。既感染者、未感染者ともに1回目、2回目の接種後いずれも数値に変動はなかった。既感染者が高いまま、未感染者が低いままであることから、過去に感染したかどうかを判別できる可能性があると分かった。測定結果は、長崎大学病院で市民が有料で受けられる抗体検査に活用していく。
 同病院は抗体がどれくらい持続するか評価するため、来年3月まで研究を続ける方針。柳原教授は「今研究でワクチンの効果の推定が可能となり、新型コロナウイルスの確実な克服につなげたい」と話している。