「競争から協調」へ バス路線維持で地域公共交通計画 建設水道委

 長崎市は16日の市議会建設水道委員会で、8月にも策定する市地域公共交通計画の方向性を示した。長崎自動車(長崎バス)と県交通局(県営バス)がバス路線維持のため検討している「共同経営」の導入を念頭に、「競争から協調」へ転換し、公共交通が持続可能な運行形態を目指すことを盛り込む方針。
 人口減少や新型コロナウイルス感染拡大の影響で、長崎バスと県営バスの路線バスは利用者が減り、両者は共同経営導入に向けた連携協定を締結。両者の取り組みは、同計画の方針に基づいて具体化し、来年4月のサービス開始を目指す。
 こうした交通事業者の動きを念頭に、同計画では「既存路線の効率化・見直し」など、公共交通が抱える課題解決の具体策を盛り込む。計画の期間は本年度から5カ年。7月の市公共交通活性化協議会で素案を示し、8月にも策定する。
 バス事業者が共同経営の導入を検討していることについて、委員からは「運賃が上がるなど、しわ寄せが利用者に来ないようにしてほしい」といった声が上がった。

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