中国、有人宇宙船の打ち上げ成功 宇宙ステーション建設で3カ月滞在へ

©BBCグローバルニュースジャパン株式会社

中国は17日午前、北部のゴビ砂漠にある酒泉発射センターから建設中の宇宙ステーション「天宮」に向けて、宇宙飛行士3人を乗せた宇宙船「神舟12号」を打ち上げた。中国の有人飛行ミッションは約5年ぶり。

聶海勝飛行士、劉伯明飛行士、湯洪波飛行士の3人は、地球から約380キロ上空にある天宮の中核モジュール「天和」に3カ月間滞在し、任務にあたる。これまでで同国最長の有人宇宙ミッションとなる。

中国は今回のミッションで、宇宙空間における自信と能力の高まりを新たに示すことになる。

ここ半年ほどの間で中国は、月面から岩石や土壌のサンプルを地球まで持ち帰り、6つの車輪で移動する探査車を火星に着陸させた。いずれも非常に複雑で困難な試みだった。

22.5トンの中核モジュール「天和」を使用可能にすることが、聶飛行士率いるチームの一番の目的だ。

「期待していることがたくさんある」と聶氏は述べた。「私たちは宇宙に自分たちの新たな家を設置し、一連の新しい技術を試す必要がある。そのため、厳しく、挑戦的なミッションになる。私たち3人が緊密に連携し、徹底して正確な任務を遂行すれば、困難を乗り越えられると信じている。私たちにはミッションを完遂できる自信がある」。

長さ16.6メートル、幅4.2メートルの天和は4月に打ち上げられた。居住区や科学実験室、ハッブル望遠鏡などを備え、最終的に重さ70トン近くになる軌道前哨基地の中核部分だ。

今後数年の間に、様々な要素が順番に打ち上げられる予定。宇宙ステーション建設には定期的な貨物輸送とクルーの投入が伴う。

中国当局は、神舟12号の宇宙飛行士の身元を16日の記者会見まで伏せていた。

聶氏(56)は2度の宇宙飛行の経験を持つベテラン宇宙飛行士。2013年に宇宙ステーションの試作機「天宮1号」に15日間滞在したことがある。過去には、中国人民解放軍空軍で戦闘機のパイロットとして訓練を受けた。

劉氏(54)と湯氏(45)も空軍出身。劉氏は2008年に打ち上げられた神舟7号のミッションで、中国初の船外活動を行った。

湯氏は今回が初の宇宙飛行となる。

天和滞在中に必要となる食料や燃料、機材は先月、ロボット貨物船で輸送された。船外活動に必要な宇宙服2着も含まれている。

中国が単独で宇宙ステーションを開発している理由の1つは、国際宇宙ステーション(ISS)計画から除外されていることにある。この計画はアメリカがロシア、ヨーロッパ、カナダ、日本と共同で行っている。

一方で中国は、同国の宇宙ステーションを外国に向けて開放する用意があるとしている。これは、まずは中国が主導する科学実験を念頭に置いているとみられるが、中国人以外の訪問も含まれている可能性が高い。

中国と技術を共有したことのあるロシアは以前、自国の宇宙飛行士を派遣する可能性に言及している。

16日に行われた、神舟12号のクルーを紹介する記者会見で、中国有人宇宙プロジェクト弁公室の季啓明主任助理(補佐)は、「我々はこの点については、おおむね歓迎している」と述べた。

「近い将来、中国の宇宙ステーションが完成した後に、中国と外国の宇宙飛行士が一緒に飛行したり、任務にあたる姿を見られるようになると信じている」

(英語記事 China to launch first crew to new space station