ポルシェLMDhプログラムの体制にロジャー・ペンスキーが言及「インディカードライバーも良い候補」

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 ポルシェのファクトリーチームとして2023年からLMDhカテゴリーに参戦するチーム・ペンスキーを率いるロジャー・ペンスキーは、同チームからNTTインディカー・シリーズに参戦しているドライバーをポルシェLMDhプログラムのラインアップ候補として検討することに疑問はないと述べている。

 ペンスキーは『ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ』として、2023年からWEC世界耐久選手権とIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権の双方に、それぞれ2台、マルチマチックをベースシャシーとするポルシェLMDh車両で参戦する。

 4台が同時エントリーすることが予期されるル・マン24時間レースでは、12のシートを埋める必要があるが、ペンスキーは同チームのインディカー・スターの一部が、長距離イベントでラインアップに加わることを期待しているという。

 現在インディカーでは、シモン・パジェノー、ウィル・パワー、ジョセフ・ニューガーデン、スコット・マクラフリンがチーム・ペンスキーから出場している。

「まだすべてのWECのルールを把握しているわけではないが、必要な要件に基づいて、彼ら(インディカードライバー)に目を向けることを、私は確かに望んでいる」とペンスキー。

「彼らはポルシェとのジョイント・リーダーシップのもとで(選ばれるに足る)資格を得るだろうし、良い候補になると思う」

「(ライアン)ハンター・レイと、(アレクサンダー)ロッシが残してきたものを見れば、彼らは長距離レースで素晴らしい走りをすることが分かる」

「これらのロングレースに向け、我々のチームのドライバーに目を向けることに、疑問はない」

 ペンスキーはドライバーラインアップの議論の範囲については「コメントできない」としたが、アキュラ・チーム・ペンスキーにも加わっていた元アメリカン・ル・マン・シリーズの王者のパジェノーについては、これまでのスポーツカーでの経験と成功により、検討されることを示唆した。

 パジェノーは現在、IMSAミシュラン・エンデランス・カップにおいて、アクション・エクスプレス・レーシングに加わっている。

「2023年に起用しなければいけないドライバーの数を考えると、(パジェノーは)確かにそのフィールドにおける経験があり、アキュラ時代には素晴らしい仕事をしてくれた」とペンスキー。

「彼とともに、今週末(IMSAデトロイト戦)でレースをしているすべてのドライバーは、現時点ではどちらのシリーズでもドライブするチャンスが欲しいと考えているだろう」

 ペンスキーがドライバーラインアップについてどのような影響を与えるかと尋ねられたペンスキーは、「ひとりの男がカードを決めるゲームではない」と述べている。

 フルシーズン参戦するドライバーラインアップの大部分は、ポルシェの既存のファクトリー・ドライバーが占めると予想されている。

「これ(ファクトリードライバーの採用)はきっちりと定められている。すべてのドライバーのなかから精査し、可能な限り最高のラインアップとなるように務める」とペンスキーは語っている。

パジェノー(中央)は今年、小林可夢偉、ジミー・ジョンソンとともに、IMSAの長距離レースで構成されるミシュラン・エンデュランス・カップにキャデラックで参戦している

■スタッフが大西洋をまたいで往復する『単一チーム』として活動

 ペンスキーはまた、彼らが単一のグローバルチームとして活動することを再確認した。WECとIMSA、双方へのフル参戦のため、ペンスキーが本拠を置くノースカロライナとドイツの拠点間を「行き来する人々」が存在することになる。

 マルチマチックにチーム・オペレーションを任せてフォードGTを走らせたチップ・ガナッシ・レーシングと同様のアプローチを採るかと尋ねられたペンスキーは、「そうではない」とSportscar365に対し語っている。

「ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツはひとつの組織だ。ふたつになることはない」

「我々は、ここ(アメリカ)でしたのと同じように、成功するために必要な参戦サポート、人員、および機材などを活用していく」

「それは我々が明確にしたかったことのひとつだ。情報のポリネーション(交配)は、ふたつの組織に別れている場合には困難なものとなる」

「常に同時にではないが、双方のシリーズで作業できる人が同じであれば、有効性と柔軟性という点において、大きな違いを生むこともある」

 ペンスキーは現在、人事構造とドイツに拠点を置く方法を検討している最中だと述べている。そこではWECおよびIMSAそれぞれのオペレーションに専念する(ふたりの)ゼネラルマネージャーとともに、ひとりの人間がプログラム全体を管理することが予想されている。

 ペンスキーによれば、昨年限りで終了したアキュラDPiプログラムにおけるすべてのクルーが保持されており、彼らがLMDhプログラムでの「背骨」として機能する予定だという。

「我々はまた、ポルシェからの本当に良いインプットとサポートを得るだろう。彼らにはとても優秀な人材がいるし、うまくいけば彼らにもチームに加わってもらえるかもしれない」とペンスキーは語る。

「アメリカで働くドイツの人々がいるだろうし、その逆もあるはずだ」

2020年までアキュラ・チーム・ペンスキーがIMSAで走らせていたアキュラのDPiマシン、ARX-05

 なおペンスキーは、2023年に向けたウォームアップとして、2022年にひとつまたは複数の耐久レースに参加する可能性を排除していない。

 チーム・ペンスキーは2018年からのアキュラDPiプログラム開始に備え、前年のプチ・ル・マンにオレカ07・ギブソンのLMP2マシンで参戦した過去がある。

「どんなオプションがあるのかを検討する必要がある」とペンスキーは語った。

「セブリングやデイトナなど、どこかで走れるのであれば、適切な装備とともに、チームを編成することが必要だ」

「我々はまだその段階まで到達していない。すべての可能性がある」