留学生をサポート 国際ロータリーRI表彰 最高賞の「超我の奉仕賞」受賞 新井妙高ロータリークラブ 佐藤明臣さんに国際表彰

 妙高市の新井妙高ロータリークラブ(RC)所属の佐藤明臣さん(70)は、長年の留学生サポート活動が認められ、国際ロータリーRI表彰で最高賞の「超我の奉仕賞」を受賞した。ハワイの世界大会で表彰され、9日の地元クラブの例会で伝達披露された。

 ロータリークラブは個人ベースの奉仕活動を推奨実践する国際団体。世界で3万6680クラブあり、約120万人の会員数を誇る。上越地域で8クラブ、本県全体では56クラブ、2064人が登録、さまざまな分野の奉仕活動に献身している。

 超我の奉仕賞は文字通り、滅私奉公、忘己利他の実践に重なる献身ぶりが評価される。上越市の大谷光夫さんが本県エリアのガバナー(代表)を務めていた2019~2020年度の表彰者は世界で147人のみという。

 佐藤さんは20代の頃、ヨーロッパやアジア諸国を探訪。こうした経験からでなく、ロータリー歴25年の初期の体験が原動力と話す。長岡高専で開かれたインターアクトクラブの留学生交流会に参加し、そのスケールに驚き、国際交流の趣旨と実績に感動。帰り際に「妙高でスキー交歓もできるよ」と投げ掛けたところ実現することに。以来、17年続けて杉の原スキー場での受け入れを続けている。

 交歓範囲はどんどん広がり、2泊3日でひと冬2回の受け入れは毎年300人ほど。支援してきた留学生は「9月に帰るトルコの学生でちょうど50カ国」。合算で約5000人を受け入れてきた。スキー以外でも観桜会や地域の文化活動、お祭りなどに連れ出し、日本文化を体験してもらっている。

 異文化体験だけでなく、支援は卒業後の就職活動や経済的援助も。モンゴルへの教科書送りも上越教育大や教育委員会などに働き掛けて続けている。全て自費で取り組む奉仕。負担にならないかの問い掛けに「とにかく自分が楽しく納得して」とあくまで自然体。

 原点と心意気のぶれない奉仕活動は、スキー交歓だけでなく、地元の留学生支援や小中学生との交流の機会づくりにも力を入れてきた。お国自慢の料理のプログラムが定番。塩、みそ、調味料なしのおにぎり比べで圧倒的にみそ味が人気で、上越の発酵食品文化を海外に売り出すきっかけになったエピソードもある。

クリスタルの盾を抱える佐藤さん

 9日に開かれた伝達表彰式には留学生たちからお祝いと感謝の花束が届き、佐藤さんを喜ばせた。「ご恩は帰国後に日本との懸け橋になり返したい」と留学生たち。佐藤さんは目を細め「そんな小さな話でない。学んだことを世界の懸け橋になるために役立てて」と励ましている。

© 株式会社上越タイムス社