テラハ、ステマの次はパクリ…フジテレビで問題が起き続ける「根本原因」

トラブル頻発のフジテレビ

フジテレビは17日、今年2月7日に放送した「超絶! THE空中サバイバル」のVTRの一部が、大阪・読売テレビが2016年と18年に放送した「体感!奇跡のリアルタイム」の放送内容に酷似していたとして公式サイトで謝罪文を発表した。読売テレビの問い合わせに白旗を上げた格好だが、何ともトホホな結末。だが、フジのパクリはそれだけではないという――。

フジテレビが「超絶!――」で放送したのは「フロントガラスが吹き飛び機長が外に」「前輪が横向き」と題した2つのコーナー。これが読売テレビが制作し、2016年3月31日と18年3月22日に放送した「体感!――」の内容と酷似していた。

いずれも実際にあった航空機事故を扱ったものだが、放送後、ネット上で内容が酷使していると話題に。読売テレビが調べたところ、VTRの構成やナレーション、文字スーパーの表記がほぼ同じで、使用されたCGもうり二つだったため「似ているというレベルではない」と判断。フジテレビに見解を求めると、番組内容が酷似したことを認める謝罪文書が届いた。フジテレビから再発防止を徹底するとの意向が示されていることから、謝罪を受け入れたという。

「リアリティー番組『テラスハウス』に出演した木村花さんが昨年、ネットの中傷を苦に亡くなったとされる問題で、BPO(放送倫理・番組向上機構)は『放送倫理上の問題があった』と判断しました。また、4月にはフジ女子アナたちの〝ステマ疑惑〟が報じられたばかり。それにパクリも加わって、フジのモラルを疑わざるをえません」(芸能関係者)

もっとも、各局のテレビ番組が似通うことは珍しいことではない。今年3月に放送されたTBS系特番「THE鬼タイジ」も、フジテレビ系「逃走中」に似ていると話題になった。だが、今回はあまりに度が過ぎたようだ。

「テロップとかデザインまで酷似はダメ。材料は変えないといけない。同じカレーでも材料を変えれば味が変わるのと一緒。創意工夫が必要なのにそのまま使ったことで読売も怒ったのでしょう」(テレビ関係者)

フジテレビは読売テレビの指摘を受けて謝罪しており、〝パクリ〟に気付いていなかったとみられる。

前出関係者は「内容証明を食らえば飛ばされますから、プロデューサーが気付いていれば止めてるはず。制作会社ベースで作ったものに対するチェック体制が甘かったんでしょう」とした上で、今回の問題が起きた原因について「制作会社が『大阪の局の制作だし、何年か前にやって風化してるから大丈夫』と思ったのだろう」と指摘する。

〝何とかなる〟の精神でイケイケだったバブル時代ならまだしも、ネット監視社会となり、コンプライアンスにもうるさくなったこのご時世でそのノリは通用しない。

さらなる〝前科〟もある。2015年に放送されたドキュメンタリー「NONFIX ボクが恋したラブドール」の収録時に、ディレクターから大量のヤラセ要求・命令があったというのだ。そのドキュメンタリーに出演した八潮秘宝館館主・兵頭喜貴氏がこう語る。

「ヤラセをすべて拒否すると、フジは別の出演者に全く同じ要求をして完全な嘘話を作りました」

そのヤラセの内容が映画のパクリの可能性が高いというから驚きだ。

「自分の代わりに嘘話の材料にされたXさんは自らのブログに『寂しい中年を演じました』と記していました。なぜ、Xさんは、中年を演じなければならなかったのでしょうか? 実は、Xさんが演じさせられた虚構の人物は、年齢以外は『空気人形』という映画の主人公に近似しているのです。他に嘘話を演じてくれる人がいなかったので、Xさんを使って『空気人形』をドキュメンタリーという体裁を使って再現したと考えられます。どう考えてもドキュメンタリーじゃありませんよね」(同)

フジテレビは今後、実効性のある再発防止策をとれるのだろうか。

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