絶滅危惧種のオタマジャクシ放流 油壺マリンパークで繁殖

オタマジャクシを放流する初声小の3年生たち=三浦市内

 神奈川県の絶滅危惧種に指定されているニホンアカガエルのオタマジャクシが15日、三浦市内の川に放流された。近くの市立初声小学校(初声町下宮田)の3年生70人が参加し、京急油壺マリンパーク(三崎町小網代)で繁殖させた約5千匹が“里帰り”した。児童たちは元気なカエルに成長するのを楽しみにしていた。

 マリンパークは2018年から初声小と一緒にニホンアカガエルの繁殖保護活動を進めてきた。昨年は同小で育てたオタマジャクシ約2千匹を飼育員が元の生息地の川に放流した結果、5年ぶりに卵の塊を自然の川で確認できた。

 今年は児童たちに身近な環境問題を考えてもらおうと、まず校内で飼育員がニホンアカガエルの飼育方法などを説明。その後、近くの川で体長1センチ余りのオタマジャクシを優しく放流した。「大きくなってね」と声を掛ける子もいた。

 参加した山田咲耶子さん(8)は「貴重なカエルが育つ環境が近くにあるのはうれしい。来年、卵を見られるのが楽しみ」と話していた。

 同小のビオトープにも約200匹を放流して世話をするという。

 ◆ニホンアカガエル 日本の固有種で本州~九州に分布。体長4~6センチ。県内では近年、産卵に適した田んぼの消失によって生息数が減少。県レッドデータブックでは絶滅危惧Ⅱ類に指定されている。

© 株式会社神奈川新聞社