こげんありますと

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 この人、いつもこんな調子なんだよね、でも、そんなものだと最初から思っていれば…という諦め半分の心境を端的に表現するフレーズが長崎弁にある。「こん子はこげんありますと」。ため息交じりに言うのが正しい用法と思われ、○○と思えば腹も立ちません、などの定型句が続くことも多い▲仮にも総理大臣をつかまえて「この子」呼ばわりもなさそうだが、昨日もまた、菅義偉首相の記者会見でよく似た気分にさせられた▲会見では「緊急事態宣言」の解除や通常国会閉会の所感などがさまざまに語られた。東京五輪は「世界が大きな困難に直面する今、世界が団結し、努力と英知で難局を乗り越えていくことを発信」するのだ、と意欲を強調した▲首相の言を借りるならば「大声の応援は禁止、会場に直行・直帰も大事」の窮屈五輪、果たしてそんな機会になれるかどうか。「世界で40億人が観戦」が別のカンセンに変換ミスして聞こえるのはさすがに意地が悪いか▲強い決意を口にしているはずなのに、焼き直しばかりに聞こえる。どこの誰に話しているのか、まるで避けているように視線はカメラを向かず、言葉は強さが足りない▲自覚している。何度も同じ話を書いている。それでも、総理はこげんありますもんねえ-と諦めるわけにはいかない。(智)