山尾志桜里氏が「政界引退」と言わない理由 冷却期間経て都知事選出馬も

再び政界に舞い戻るつもりか

国民民主党の山尾志桜里衆院議員(46)は何を画策しているのか――。山尾氏は17日、「政治家とは別の立場で新しくスタートしたい」と次期衆院選への不出馬を表明した。旧民主党時代から若手のホープとして期待を集めながらも2度の“文春砲”でミソをつけた中、「区切りをつける」とついに永田町からフェードアウトするというが、次なる道は何なのか?

山尾氏は自身のユーチューブチャンネルで「政治家という仕事を経験して、政治家一筋というキャリアが標準のモデルであることに何度も違和感を覚えました」と、次期衆院選への不出馬を明かしたが、永田町では「文春砲のことには何も触れていない!」「倉持麟太郎氏との件は?」と総ツッコミが入った。

山尾氏は2017年に民進党の幹事長に内定した際、弁護士の倉持氏との不倫疑惑が報じられ、離党を余儀なくされた。同年の衆院選では無所属で当選し、その後、立憲民主党に入党。しかし、昨年、「党の風通しが良くない」として離党し、国民民主党に入党した。

秋までに行われる次期衆院選では国民から比例東京ブロック単独1位での出馬が決まっていた中、今年4月に再び文春砲が炸裂していた。

議員に支給されるJR利用の無料パスを使い、倉持氏のマンションを訪れたことや、倉持氏と離婚した妻が自死していたことが報じられたが、山尾氏は「公私で一線を引く」と、一貫してプライベートの話題には言及せず。今回の不出馬宣言でも自身の不祥事や倉持氏の話題は一切、説明のないままだった。

2度目の文春砲に見舞われた時点で、次期衆院選での当選は消えたとの見方がもっぱらだった。今月25日告示の都議選でも山尾氏が国民の候補を応援することすらマイナスになると一部で敬遠されたほどで、いったん身を引かざるを得なくなったというのが実情だ。

もっとも山尾氏は「新しく挑戦したいこと、そのフィールドとしての次の場所は、しっかりと任期を全うしてから、自分なりの方法でお伝えします」と笑顔で語り、既に転身先は決まっているようだ。

議員秘書は「山尾氏は中国の人権問題で、自民党の保守系議員とも連携し、リーダーシップすらとっている。人権派弁護士として活動していくとともにコメンテーターとして、テレビやネットで活動していくのでは」と話す。

議員出身の政治系コメンテーターは枯渇しており、元衆院議員組では東国原英夫氏、金子恵美氏、宮崎謙介氏らが引っ張りダコで、「このハゲーーーッ」の豊田真由子氏すらも最近では、テレビ出演している。

「山尾氏は上昇志向の塊。もともとアニーの子役ですよ。そこから東大、検察官、国会議員とステップアップしてきた。陰で誰かを支えるなんていうキャラではない。ユーチューブも力を入れているようですから、とにかく自分が全面的に出てくるのは間違いないでしょう」(前出の秘書)

また、古巣の立民関係者は「山尾氏はしたたかですよ。テレビなどのメディアに出まくり、野党批判を展開するのではないか。そんな冷却期間を置いて、自身のロンダリングを済ませた後は、政界に戻ってくるはず。来年の参院選で自民党にすり寄り、自民から出馬するという計算をしている可能性がありますよ」と語る。

ほかにも囁かれているのは、首長への転身だ。実際、山尾氏は区切りをつけるとしただけで、“政界引退”とは言っていない。いったん、フェードアウトし、過去のスキャンダルを薄めつつ、時機を見て、首長選に打って出る可能性は十分だ。

「首長選では無所属で出馬し、複数の政党から支援を受けるのが勝利への定石。自民党に接近していた山尾氏ならタイミングや選挙区事情によっては、与野党相乗りになる場面が出てきてもおかしくない。小池百合子氏の後の都知事選に出てきたらどうなることやら」(永田町関係者)

いずれにしても山尾氏がすんなり“第一線”から退くというわけではなさそうだ。

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