新上五島町の海岸にクリオネの仲間

ヤサガタハダカカメガイ見つかる

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新上五島町小串郷の海岸で見つかったヤサガタハダカカメガイ(中野さん提供)

 「海で珍しい生き物を見つけました」―。長崎県新上五島町小串郷の住民から長崎新聞の情報窓口「ナガサキポスト」のLINE(ライン)にこんな情報が届いた。添えられた動画を見ると、北海道沿岸部に生息するクリオネのような生き物が海水にユラユラと漂っている。佐世保市の九十九島水族館(海きらら)に確認すると、「長崎県での発見報告はおそらく初めて」という。

 情報を寄せてくれたのは長崎新聞北魚目販売センター所長の中野とよみさん。14日午前10時ごろ、満潮で「ミナが採れるかもしれない」と自宅前の海岸に降りて消波ブロックのすき間から海をのぞいたところ、イカの赤ちゃんのような生き物が10匹ぐらい泳いでいた。引き潮と同時に消えていったが、バケツですくった3匹を近所の漁業者らに見せると、みんな「初めて見る生き物」と口をそろえたという。

 動画を確認した同館によると、クリオネの仲間で、ニュウモデルマ科ヤサガタハダカカメガイとみられる。成体は20~30㍉。山口県などでは生息が確認されているが、長崎県での報告事例は初めてという。

 国内での成体展示例は山口県のほか、島根県や兵庫県であるが、同館クラゲ・魚類課の森美穂さんは「展示期間は短く、生態はほとんど解明されていない。非常に珍しい生物なので生きているのを見たかったが、標本としても残したい。また見つけたら譲ってほしい」と話した。

 一方、山口県下関市立しものせき水族館「海響館」によると、同県長門市青海島近海では、ダイバーらから多数の発見事例が寄せられている。同館魚類展示課の園山貴之さんは「昨年は聞かなかったが、今年は多数の発見情報がある。なぜ年によってばらつきがあるのかは分からない」と語った。

 中野さんは発見時の様子について「長年この海のそばで暮らしているが、初めて遭遇する生き物に感動した」と振り返った。(平田有子)