楽天・石井監督 勝負どころの後半戦見据え…好調ブルペン陣にも「上がり日」設定

自身も投手出身だけに、投手に十分な配慮を見せている楽天・石井監督(右)

備えあれば患いなし。楽天が勝負どころの後半戦をにらみ、ブルペン陣の〝上がり制度〟を設けている。

石井監督が「ウチはみんな先発陣のことばかり言うんですが、リリーフ陣の頑張りが大きい」と言うように、楽天は67試合を戦って防御率2・99と安定感を見せるブルペン陣の働きが大きい。2013年以来のリーグ優勝を手繰り寄せるためにも、いかに救援陣を疲弊させないようにするかが大事になる。そのために採用したのが、先発投手と同様に救援陣にも投げない「上がり日」を設定することだ。

試合はやってみないと勝つか負けるか分からない。目先の勝利にこだわるなら、信用のおける救援投手をブルペン待機させておきたいところ。しかし、石井監督は「毎回ではない」と前置きした上で、こう持論を展開する。「投げるピッチャーと投げないピッチャーが同じ場所にいたら、気持ちの違いもあるのでブルペンの中がモヤモヤしてしまう。(投げない投手は)誰が投げるか分からない緊張感のあるブルペンには入れず、休む時はちゃんと休ませておくことも大事だと思う」

自身もプロ入り直後のヤクルトでの3年間や西武での現役最終年は主にリリーフを務めた経験から「もしかして投げるんじゃないかと思いながらキャッチボールをするのと、出番に備えてウォーミングアップするのでは同じ10球でも違う」とも言う。だからこそ各投手の肉体的、精神的なリフレッシュとブルペン自体の空気の〝正常化〟を意識的に行っているというわけだ。

リーグ戦再開初戦となった18日のオリックス戦(楽天生命)は先発・涌井が4回5失点と崩れて2―5と完敗したが、2番手以降の4投手は零封リレーで試合を壊すことはなかった。ソフトバンクと入れ替わりで2位に浮上したオリックスとは1ゲーム差ながら、勝負どころとなる五輪ブレーク明けの後半戦に向けて慎重なブルペン運用が続いている。

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