五輪開催がコロナ禍の難局乗り越えを示すと総理

 菅義偉総理は17日の記者会見で、東京五輪・パラリンピック開催について「人類が新型コロナという大きな困難に直面する今だからこそ、世界が団結し、人々の努力と英知でこの難局を乗り越えていくことを日本から世界に発信したいと考えている」と、パンデミックの中での五輪開催が「人々の努力と英知で(コロナ禍の)難局を乗り越えていくこと」を示すことになると理解しがたい主張を行った。

 また記者団から東京五輪・パラリンピックを安全・安心に開催すると繰り返すが、開催に伴い感染リスクがどれだけ増大するか説明されていない。国内全体で人の移動が増えるリスクや観客を入れた場合のリスクをどう考えているのか。安全・安心の根拠を示さず、開催を強調されても不安を感じる国民は納得できないとの問いに菅総理は「専門家の意見もお伺いしながら具体的対策を詰めているところだ」とした。

 そして海外からの選手団、関係者らについては「検査、ワクチン接種を徹底し、行動を厳しく制限し、一般国民と交わることがないようにしっかり遮断したい」と答えた。

 国内での人流増に関しては「急に人流が増えることがないよう、スポーツイベント等の人数制限について、まん延防止等重点措置が解除された後も人流を抑えることとし、東京大会の人数上限というのはこうしたルールに基づくことを基本として決定されると思う」と説明。

 菅総理は「東京大会においては会場に来られる観客は常時マスクをし、大声の応援は禁止されることになると承知している。会場に直行直帰することも大事だと思う。こうしたことを含めて、組織委員会がガイドラインをつくるというふうに承知している」と語った。また「家でのテレビ観戦などを通じ、アスリートを応援していただきたい」とも語った。(編集担当:森高龍二)

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