神奈川つくい農協(相模原市緑区)は地元産の米「はるみ」を原料にした発泡性のにごり酒「HARUHIME」と、焼酎「はるひめ」を開発し、22日に発売する。米の消費が減少傾向の中、新たな商品分野を開拓して農家の所得向上を目指す。
製造を依頼した海老名市の泉橋酒造で18日、関係者が試飲会を行った。「はるみ」は県内産の米で県の奨励品種。同農協が「『はるみ』を使って、女性にも親しまれるスパークリング(発泡性)日本酒を造りたい」と同社に要望し、1月末にはるみ1140キロを同社に持ち込んだ。
日本酒は通常、粘り気の少ない酒造好適米を原料にするが、はるみは酒造好適米ではない。同社が水の吸わせ方や切り方を工夫、瓶詰め後も底にたまった「おり」が発酵し続けることで、味のいい発泡性にごり酒に仕上げた。
日本酒を絞った後の酒かすを蒸留した焼酎も造った。
試飲した同組合関係者は「にごり酒は飲みやすくて甘みを感じ、焼酎は香りがいい」と手応えを語り、中里州克組合長は「米の消費が減る中で、日本酒に活用することで生産農家の所得向上につなげたい」と話した。
発泡性日本酒「HARUHIME」は720ミリリットル1760円、250ミリリットル660円、焼酎「はるひめ」は720ミリリットル2200円(いずれも税込み)。同農協の直売所「あぐりんずつくい」(相模原市緑区中野)や地元の商店などで販売する。