パルクフェルメで男泣き。関口雄飛が雨のサバイバル合戦を制して3年ぶりのポール獲得【第4戦SUGO予選】

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 2021年全日本スーパーフォーミュラ選手権第4戦SUGOの公式予選が6月19日に行われ、ウエットコンディションの中、関口雄飛(carenex TEAM IMPUL)が約3年ぶりのポールポジションを獲得した。2番手には牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)が自己ベストタイの3番手につけた。

 土曜日午前中のフリー走行を前に、予選方式の変更がアナウンスされ、通常はノックアウト方式のQ1がA、Bの2組に分けられるが、今大会は全部で14台が走行するQ2も2組にわけられることとなった。

 スポーツランドSUGOは全長が3.586kmと短く、予選中はトラフィックにかかり、タイムアタックができないドライバーも出てくることが多い。加えて予選日は終日雨予報が出ており、水煙から視界を確保するためにも前後の距離を大きく取る必要があり、組み分けすることでトラフィックだけでなく黄旗、赤旗の影響による不公平な状況の改善が期待された。

 実際、午前9時10分からのフリー走行でも多くのマシンがコースアウトを喫し、計3度の赤旗中断に見舞われていたことからも、予選セッションでのアクシデントも想定された状況だった。

 14時10分にスタートしたQ1-A組には山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING)、山下健太(KONDO RACING)、牧野、小高一斗(carrozzeria Team KCMG)、大嶋和也(NTT Communications ROOKIE)、大津弘樹(Red Bull MUGEN Team Goh)、高星明誠(carenex TEAM IMPUL)、宮田莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)、阪口が出走。

 10分間のセッションの序盤に好タイムを連発したのが宮田と阪口で、宮田がトップ、阪口がセカンドタイムに並んだが、計測4周目に牧野が一足早く1分19秒台にタイムを入れトップを奪取する。最終的に1分19秒306で牧野がトップ通過を果たし、阪口が最終アタックで宮田を退け2番手に。宮田が3番手、大津が4番手でそれぞれQ2進出を果たした。

 SUGOのレコードホルダーでもある山本はノックアウトゾーンからなかなか抜け出せないでいたが、最終アタックで渾身の1分20秒931をマーク。5番手につけてQ1突破となり、小高、山下までの7台がQ2へと駒を進めた。平川亮の代役参戦となる高星は、序盤は5番手当たりに着けていたものの査収的には8番手。大嶋が9番手となり2台がここで予選終了となった。

 Q1-B組は、大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)、中山雄一(KONDO RACING)、福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、国本雄資(carrozzeria Team KCMG)、塚越広大(ThreeBond Drago CORSE)、野尻智紀(TEAM MUGEN)、関口、ジュリアーノ・アレジ(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)、坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)、松下信治(B-Max Racing Team)の10台が出走。A組の出走時間と比べると降雨もやや落ち着き、上空も若干明るくなってきた。

 B組では、坪井、福住、松下がトップタイムを次々に更新して行き、目まぐるしく順位が変動。最終的には福住が1分19秒504でトップ通過を果たした。2番手の松下に0.119秒の差をつけ、A組、B組ともにDOCOMO TEAM DANDELION RACINGがトップタイムをマーク。

 3番手の坪井、最終アタックで4番手に上がってきた関口までが1分19秒台に入り、野尻、アレジ、大湯までの7台がQ2への進出を決めた一方、塚越、国本、中山がここで予選敗退となった。

■Q2では最速タイムを記録した坪井、好調を見せていた松下がスピンで敗退

 Q2のA組は、またしても宮田、阪口、牧野の3人がトップタイムを奪い合う展開となり、阪口が最終アタックで1分29秒049をマークしてトップ通過を果たした。計測3周目で牧野からトップタイムを奪い、さらに4周目で自己ベストタイムを0.5秒縮めた宮田だったが、100分の9秒差で阪口に敗れ2番手。3番手が牧野、そして計測3周目に1分20秒994で4番手に着けた大津までがQ3進出を決め、山下、小高、山本が敗退した。

 Q2-B組出走直前には雨脚が強まり、少なくなっていた水煙も再び大きくなってくる状況に。計測1周目には、アレジがS字コーナーの立ち上がりでスピンを喫し、ギリギリでクラッシュを回避するような場面も見られた。

 そんななか、1分20秒100のトップタイムをマークしたのは坪井。約0.5秒差で福住、さらに0.5秒差でアレジが続き、4番手に大湯が着けていた。

 しかし、残り時間が1分を切ったところで松下が馬の背コーナーでスピン。ほぼ同時タイミングでトップタイムをマークしていた坪井も2コーナーの進入でコントロールを失ってコースアウトし、2台がストップしてしまう。ここでセッションは赤旗中断。そこから一時タイミングモニターの順位が変わらず、若干順位が混乱する状況となったが、結局、この2台は赤旗提示原因車両と判断され、ここで予選敗退が決定した。

 セッションは残り3分に延長され、計測1周のみが許された状況で再開。アウトラップのみでタイヤを温めなければならない難しい状況のなか、関口が先に抜け出して実質2番手タイムをマーク。そしてこの時点でノックアウト線上にいたのは大湯と野尻。この2台が自己ベストタイムを更新するのかに注目が集まった。まさに1周のアタック勝負で野尻がセクター1で自己ベストを記録すると、大湯はセクター2で自己ベストを更新。

 大湯はそのまま1分21秒389までタイムを縮め暫定5番手をキープ。続いてチェッカーを受けた野尻のタイムは1分21秒408、わずか1000分の19秒差で野尻はノックアウトとなった。

 トップタイムの坪井はここで予選敗退が決定しているため、福住、アレジ、大湯、そして最終アタックでセクター全体ベストをたたき出し実質2番手にポジションアップして見せた関口の4台がポールポジション争いに進むことになった。

 Q3は、またしてもセッションスタートと同時に雨脚が強くなる。ピットロード出口に一番近いKuo VANTELIN TEAM TOM’Sの2台を先頭に次々とコースイン。少し前との間隔をあけてピットを後にした大湯と牧野がピットロード上であわや接触しそうになるハプニングもあったが、全車が無事にコースへと入っていった。

 関口は計測2周目でいち早く1分20秒台にタイムを入れてトップを奪取。翌周に宮田が1分19秒799で関口を逆転するが、関口もすぐさま1分19秒231をたたき出してトップを奪還した。ラストアタックでもセクター2と3では全体ベストを刻み、自己ベストタイムに肉薄するタイムをマーク。

 同じ周のセクター1で全体ベストを記録して自己ベストタイムを更新した阪口も3番手にとどまり、関口の2018年第6戦岡山大会以来となる、約3年ぶりのポールポジション獲得が決定した。

 関口とSUGOといえば、2016年第6戦で万事休すの状況から桁違いの速さで逆転優勝を飾ったのが印象的だ。翌2017年にも2連覇を果たしているサーキットで久々のポールポジション獲得に、パルクフェルメでのインタビューでは珍しく目頭に溜まった涙を拭い、声を詰まらせる場面も。ここ数年の関口の苦労が察せされた。日曜の決勝レースはドライコンディションになる予報だが果たしてどのような展開になるか。注目の第4戦決勝レースは6月20日13時30分スタートの予定だ。

2021スーパーフォーミュラ第4戦SUGO 関口雄飛(carenex TEAM IMPUL)