MotoGP第8戦ドイツGP:ドゥカティのザルコが今季初のポール獲得。マルク・マルケスは5番グリッドに並ぶ

 MotoGP第8戦ドイツGPの予選がザクセンリンクで行われ、MotoGPクラスはヨハン・ザルコ(プラマック・レーシング)がポールポジションを獲得。マルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)は復帰後のベストグリッドとなる5番手を獲得した。中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)はQ2の終盤に転倒を喫し、9番手だった。
 
 フリー走行3回目は気温29度、路面温度40度のドライコンディションで行われた。序盤にトップに立ったのはマルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)で、前日の自己ベストタイムを早々に更新する。マルク・マルケスは、金曜日後の取材のなかで自身の体に「十分なパワーを感じられなかった」ことから、フリー走行2回目の終盤にタイムアタックをしてなかったことを明かしている。
 
 マルク・マルケスに次ぐ2番手は初日総合トップのミゲール・オリベイラ(レッドブル・KTM・ファクトリーレーシング)、3番手には中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)がつける。中上は初日、ホンダ勢のなかでただ一人、新しいウイングレットでの走行を行わず、確認できる限りではこの日も以前のものを使用している。
 
 セッション中盤以降はジョアン・ミル(チーム・スズキ・エクスター)やマーベリック・ビニャーレス(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)、アレックス・リンス(チーム・スズキ・エクスター)などがタイムを縮めてトップ5に食い込むが、1番手のマルク・マルケス、2番手のミゲール・オリベイラは変わらないままだった。
 
 残り15分を切ると、早くも各ライダーのタイム更新が始まった。まずはジャック・ミラー(ドゥカティ・レノボ・チーム)がトップに浮上。しかしその後、ファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)がそのタイムを上回った。
 
 クアルタラロはそのままフリー走行3回目をトップで終えた。2番手にはミラー、3番手にはヨハン・ザルコ(プラマック・レーシング)というドゥカティライダーが続き、4番手はオリベイラ、5番手にはアレイシ・エスパルガロ(アプリリア・レーシング・チーム・グレシーニ)が入った。
 
 中上は7番手、マルク・マルケスは最後のアタックがトラックリミット超過によりタイム取り消しとなったものの、9番手でQ2へのダイレクト進出を決めた。
 
 一方、ビニャーレスは残り時間7分に1コーナーで転倒し13番手、ポル・エスパルガロ(レプソル・ホンダ・チーム)は残り時間3分に8コーナーで転倒を喫して19番手。ポル・エスパルガロはホンダライダーとしては唯一、Q2へのダイレクト進出を逃すことになった。また、チーム・スズキ・エクスターのミル、リンスはともに11番手以下に沈んでいる。
 
 フリー走行4回目では、ザルコがトップタイム。2番手はクアルタラロ、3番手はオリベイラ、4番手がミラーとフリー走行3回目と変わらない上位4番手までの顔ぶれ。ミラーのマシンにはセッション中にトラブルが発生したが、その後ピットに戻りスペアマシンに乗り替えて走行を続行した。5番手はマルク・マルケス。中上は13番手だった。
 

■【予選】ザルコが転倒を喫しながらもポールポジションを獲得

 予選のQ1は、気温31度、路面温度51度のなかで行われた。Q1から予選に挑むのは、ミル、リンスというチーム・スズキ・エクスターのふたり、ビニャーレス、ポル・エスパルガロなどの面々である。しかしQ1開始前に、『技術的な問題』によりセッションの開始時間が遅れることが伝えられ、その後、9分遅れでQ1が始まった。
 
 前半のアタックでは、リンスがトップタイムをマーク。ポル・エスパルガロが2番手で終える。
 
 残り時間が3分になると、2番手につけていたポル・エスパルガロがタイムを更新。リンスが2番手に後退したが、その後ポル・エスパルガロのタイムを0.056秒更新して、再びトップに浮上した。
 
 残り時間が1分を切ったところでは、最終コーナーでフランコ・モルビデリ(ペトロナス・ヤマハSRT)がクラッシュ。黄旗が提示されたため、以降にこの区間を通過するライダーのタイムは記録されないことになった。モルビデリの転倒後にこの区間にさしかかったビニャーレスはタイムを更新できず11番手、グリッドとしては21番手に沈んでいる。
 
 最終的に、Q1はリンスがトップ。2番手がポル・エスパルガロでこのふたりがQ2進出を決めた。ビニャーレスのほか、ミルがQ1突破ならず、ミルは17番グリッドから決勝レースを迎える。
 
 予選Q2では、前半のアタックで、まずマルク・マルケスが1分20秒567を記録してトップに立つ。しかし5分が経過したころ、クアルタラロがそのタイムを0.13秒上回る。クアルタラロがトップ、マルク・マルケスが2番手でいったんピットインを行った。
 
 先にコースインしたのは、クアルタラロ。クアルタラロは自身のタイムを更新する。しかし、そのタイムをザルコが上回った。ザルコは1分20秒236を叩き出してトップに浮上。しかしその直後、ザルコが4コーナーでクラッシュを喫する。ハイスピードでの激しい転倒でエアフェンスに突っ込んだが、ザルコは無事だった。
 
 さらにチェッカーが振られた直後には中上が1コーナーで転倒。ザルコと中上の転倒により、セクター1で黄旗が提示されることになった。
 
 ザルコはそのままトップを守り、2020年シーズン第4戦チェコGP以来のポールポジション獲得となった。2番手はクアルタラロ。そして3番手にはアレイシ・エスパルガロが入り、アプリリアとしては2000年シーズン第16戦オーストラリアGP以来のフロントロウ獲得となった。
 
 4番手はミラー、マルク・マルケスは5番手で、復帰後のベストグリッドを獲得している。オリベイラは6番手だった。終盤に転倒を喫した中上は9番手で、3列目から決勝レースを迎える。

2021年MotoGP第8戦ドイツGP予選 ヨハン・ザルコ、ファビオ・クアルタラロ、アレイシ・エスパルガロ
2021年MotoGP第8戦ドイツGP ファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)
2021年MotoGP第8戦ドイツGP マルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)

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