英語で被爆体験語る 国際シンポで94歳築城さんら

オンライン開催のシンポジウムで、英語で被爆体験を語る築城さん=長崎市平野町、国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館

 長崎市の被爆者、築城昭平さん(94)と山脇佳朗さん(87)の2人が19日、オンラインで開催された国際シンポジウムに参加し、被爆体験をそれぞれ英語で語った。世界各国の参加者からは「貴重な話をありがとう」「自分の周りの人にも伝えていきたい」といった感想が聞かれた。
 2人は、同市の国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館から映像を配信。18歳の時、爆心地から1.8キロの長崎師範学校の寮(現文教町)で被爆した築城さんは、90歳を過ぎてから英語で被爆体験を語り始めた。参加者との意見交換では「原爆の残酷さを知り、若い人たちに平和について考えてほしい」と呼び掛けた。
 築城さんは取材に「英語ではまだうまく話せないけれど、通訳を介さず自分の言葉で話すことで、聞いている人の心に訴えかけることが大切」と語った。
 山脇さんは爆心地から2.2キロの自宅で被爆。原爆で亡くなった父親の遺体を焼いた経験などを語った。終了後の取材に「オンラインだったけれど、世界の人と直接話をすることができてよかった」と話した。
 シンポジウムは、国際ロータリー財団の平和研究助成奨学金制度の支援を受けた奨学生や卒業生有志のグループが主催。オンライン上で100人以上が視聴した。

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