代表よりも修学旅行 恩師が明かすラグビー五輪代表・松田凜日の魅力

ワールドシリーズデビュー戦となった中国戦で突進する松田=2019年4月、ミクニワールドスタジアム北九州

 日本ラグビー協会は19日、東京五輪の7人制日本代表を発表し、国学院栃木高出身の松田凜日(まつだりんか)(日本体育大2年)が女子代表に初選出された。チーム最年少の19歳は「自分の強みを出したい」と抱負を述べ、高校時代の恩師の吉岡肇(よしおかはじめ)監督(59)は「本当にめでたい。ベストを尽くしてほしい」と期待した。

 東京都府中市出身。高校時代は栃木市内の吉岡監督の自宅アパートに下宿した。「まさに逸材。体格、スピード、そして人間性。天は何物を与えるの、という感じ」と恩師は称賛する。

 学業成績は優秀で、部内外に友人が多かった。代表活動と日程が重なり、修学旅行を“優先”させたエピソードもあるという。

 恩師が高く評価するのは、誠実に物事に取り組む姿勢だ。高校では相次ぐけがに苦しんだが、黙々と別メニューをこなし、練習場の清掃も率先して行う姿が強く印象に残る。能力は突出していながら「私は特別でしょ、というそぶりが一切なかった」と振り返る。

 五輪では抜群の推進力を武器に、主戦場とするバックスのほかFWで起用される可能性もある。松田は「誰もが立ちたいと思う場所に立てるのは誇れる。選ばれなかったメンバーの分もプレーする責任を感じる」と表情を引き締める。

 強豪の同校ラグビー部にとっても史上初の五輪選手。中学時代からの夢をかなえた教え子へ、吉岡監督は「必死にプレーし、ずっと五輪を目指してきた思いを出してくれれば」とエールを送った。

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