ボクシングのＷＢＡスーパー＆ＩＢＦ世界バンタム級タイトルマッチは１９日（日本時間２０日）、米ネバタ州ラスベガスの「ヴァージン・ホテルズ・ラスベガス」で行われ、同級統一王者の井上尚弥（２８＝大橋）が、ＩＢＦ同級１位マイケル・ダスマリナス（２８＝フィリピン）を３ラウンド（Ｒ）ＴＫＯで下し、ＷＢＡは５度目、ＩＢＦは３度目の防衛に成功した。
引き締まった表情でリングに上がった井上。序盤から相手にプレッシャーをかけ、左フック、ワンツーで主導権を握る。意を決して前に出て攻撃する相手を冷静に対処し、２Ｒではコンビネーションから左ボディーを炸裂させダウンを奪う。
これで逃げの姿勢を顕著にした相手に、ワンツー、左右のアッパーなどで意識を上段に集めさせた上で左ボディーを繰り出す。そして迎えた３Ｒ、ボディー攻撃で再度のダウンを奪取。ダスマリナスも意地を見せて試合続行となったが、トドメの左ボディーを完璧にねじ込んでリングに沈めた。
野望とする４団体統一へ重要と位置付けた試合で、圧倒的な強さを誇示。〝聖地〟ラスベガスで自身初の有観客、さらにＷＢＣ王者ノニト・ドネア、ＷＢＯ王者ジョンリール・カシメロ（ともにフィリピン）らライバルが見つめる中での圧勝劇となった。
試合後は「いい勝利となった。ボディーでも顔（への攻撃）でもどちらでも倒せる準備をしてきたので、それが出せて良かった」と笑顔で語った。今後は、８月に統一戦を行うとされるドネア、カシメロの勝者との対戦を視野に入れる。このままバンタム級制圧に向けて突っ走る。
