『ドラゴンボール』の壮大さにクラス中が熱狂した。あの髪型を真似した人も?【“少年ジャンプ”黄金期を振り返る】

数々の名作が世代を超えて受け継がれ、2018年には創刊50周年を迎えた『週刊少年ジャンプ』。今回は少年ジャンプ黄金期の代表作とも言える、『ドラゴンボール』(DRAGON BALL)の思い出を当時からのファンに聞きました。

1984年から『週刊少年ジャンプ』で連載され、幾度ものTVアニメ化を経て、大ブームを起こした長寿作品『ドラゴンボール』(鳥山明先生著)。

孫悟空を中心としたスケールの大きな冒険とバトルは、フランスやスペインなど世界各国でも人気を博し、アメリカで実写映画が製作されたことも大きな話題となりました。

今回は、まさに日本の代表的作品と言える本作を、連載当時から知るファンの声とともに振り返ります。

バトル漫画のイメージが強くありますが、熱狂的な女性ファンも多く存在しているようです。

Blu-ray『DRAGON BALL THE MOVIES ♯08』

via

月曜の朝はクラス中が大騒ぎ!ハマったきっかけは?

老若男女を虜にした『ドラゴンボール』。学校の過半数が愛読者だったため、月曜日の朝にジャンプを持ってきた子がヒーローだった……というエピソードも聞かれました。

皆がハマったポイントを挙げればキリが無いですが、その中でも‟ここ!”と熱く語られたのは?

「やっぱり‟天下一武道会”が一番最初にハマったポイントです。今でこそ勝ち上がっていくバトルはジャンプで定番の展開だけど、最初に印象付けたのは『ドラゴンボール』だったと思います。亀仙人とクリリンの師弟対決も、コミカルだけど熱かった!」

「熱中するきっかけになったのは、サイヤ人のラディッツが地球に襲来して、それまで地球の中で進んでいたストーリーが宇宙まで展開され始めた時。悟空のしっぽやピッコロで宇宙人という存在は示唆されていたものの、こんなにスケールのでかい話になるの……!?と驚いたことを覚えています。‟スカウター”という装置で相手の戦闘力を数値で見るのも、近未来的で斬新でした」ラディッツといえば、農夫のおじさんに言い放った「戦闘力…たったの5か…ゴミめ…」というセリフは有名。

「私の戦闘力は53万です」というフリーザのセリフとともにネット上でよく見られる言葉ですね。

印象的なセリフを数多く生み出したのも『ドラゴンボール』の凄さでしょう。

また、「ラディッツ戦では『えっ、主人公死ぬのーーー!?これからもっと強いやつが来るのに!?』と衝撃を受けました。その後、息子の悟飯に主人公が交代することも当時は新鮮でしたね」と、世代を超えるストーリーにもドキドキさせられていたようです。

DVD『DRAGON BALL #1』

via

イケメン・トランクスに女子も男子も憧れた

「『ドラゴンボール』で萌え倒したのは、ピッコロと幼い悟飯の組み合わせ。ピッコロは戦力になるからと悟飯を育てたのに、情が移って親の顔になるんですよね。

悟飯を命がけでかばって『甘さがうつっちまった』って言うシーンは、今でも読み直す度に号泣です」

「悪の権化だったピッコロが徐々に“ツンデレお母さん”キャラを発揮していくのが好きです(笑)。真面目なピッコロがとばっちりを受けて柄にもないことをする羽目になったり、気づけばコミカルキャラになってるところもたまりません」

そして外せないのが、常に人気上位にいたトランクスでしょう。

DVD『DRAGON BALL Z』第24巻

via

「『ドラゴンボール』の人気投票ではたいてい強いキャラが上位を占めるんですが、例外的にトランクスは上位だったイメージがあります。‟流行のイケメン”って感じのビジュアルには、女子はもちろん、男子も密かに憧れていた子が多かったと思います」

「クラスの男子が、トランクスを真似して前髪をセンター分けにしてました(笑)。いかにも武闘派男子なキャラが多い中、クールだけどハートは優しい彼に胸キュンしてました」

女性ウケを狙わず、王道の少年マンガっぽさに溢れていたところも「好き」という声が多い『ドラゴンボール』。

‟心身ともに”男らしさで女性を惹きつけたキャラが多かったのも、特徴かもしれません。

カラオケの定番!アニソン人気も国民的

当時の少年ジャンプアニメといえば、ゴールデンタイムで高視聴率をたたきだすことが多く、アニソンも老若男女に親しまれました。

中でも『ドラゴンボール』の曲は、ファンの心に子どものころのワクワク感をかき立てると評判です。

「言うまでもないですが、定番はやっぱり『CHA-LA HEAD-CHA-LA』(歌:影山ヒロノブさん)。

曲名の響きが子どもになじみやすくて、表記がアルファベットなのも当時は斬新なセンスを感じました。

カラオケでは男女一緒に盛り上がれます」

CD『魔訶不思議アドベンチャー ! 』

via

「歌詞が鮮明に頭に残ってるのは、『魔訶不思議アドベンチャー!』(歌:高橋洋樹さん)。

‟掴もうぜドラゴンボール”、‟この世はでっかい宝島”とか、歌詞が少年マンガらしさど真ん中で最高です。

高橋さんはテレビ番組にサプライズで出て歌ってくれる時があるので、たまたま見られた時はテンションぶち上げです」

力強い歌が人気を誇る一方、スーツで歌うスタイルや爽やかさが印象的だった、FIELD OF VIEWの『DAN DAN 心魅かれてく』も人気。

「恋心を感じさせる歌詞と、サビ直前でトランクスの顔面が迫ってくるところが好き」、「あれはトランクスの歌だと思っている」と、胸をときめかせた女子もいるようです。2022年には新たな劇場版が公開となることも発表された『ドラゴンボール』シリーズ。あなたにはどんな思い出がありますか?

ファンが子どもから大人になってもそばに居続けてくれる本作は、今後も世代や国を超えて、多くの人に親しまれていくでしょう。

■当時『BLEACH』のオシャレさは斬新だった。伝説的人気のキャラも【90年代“少年ジャンプ”を振り返る】

https://numan.tokyo/anime/1zhTJ

■『るろうに剣心』は革命だった。切なさに惹かれる…【90年代“少年ジャンプ”を振り返る】

https://numan.tokyo/column/8GYFJ

■賛否両論の最終話。それでも『シャーマンキング』は完結してくれた【90年代“少年マンガ”を振り返る】

https://numan.tokyo/anime/U51Ml

© 株式会社マレ