災禍の歴史、古書に学ぶ 県立図書館で特別展

古書や古い地図などで災禍の歴史を振り返る特別展「生命(いのち)を守る」

 宮崎市・県立図書館の特別展示室で、地震や疫病など災禍の歴史を振り返る特別展「生命(いのち)を守る」が開かれている。所蔵する史料19点を中心に、古書に残る災害の記述を原文と現代語訳で紹介。現代までに起きた国内や本県での災害が、分かりやすくまとめられている。30日まで。
 飛鳥時代の684年に発生した南海トラフ巨大地震では、最も古い記録とされる「日本書紀」にある記述を展示。江戸時代の1662年に本県で起きた外所(とんところ)地震については、宮崎市の加江田川河口付近が陥没して入り江になったことを示す古い地図などが展示されている。
 2011年の新燃岳噴火を記録した動画や、16年の熊本地震で被災した熊本城の写真など、近年の災害を振り返る展示もある。また、奈良時代や江戸時代の書物から、疫病の流行による被害なども知ることができる。
 同館情報提供課の岩村彩子(さえこ)郷土資料研究員は「過去の歴史をひもとき、記録を見つめ直すことで、今後の防災、減災を考えるきっかけにしてほしい」と話している。

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