阪神・佐藤輝 ホームラン打ちまくりで…キャンペーンの「泡盛」提供量がとんでもないことに!

「まだまだ打ちますよ」と言わんばかりの阪神・佐藤輝

阪神は20日の巨人戦(甲子園)に1―2で惜敗。5安打1得点と打線が全体的に冷え込んだ中、2戦連発の18号ソロを含む3打数2安打1打点と一人気を吐いたのがドラ1ルーキーの佐藤輝明内野手(22)だ。球団の新人最多本塁打歴代2位となる岡田彰布(1980年)の記録にわずか63試合で到達。長らく切望してきた21世紀版「ミスタータイガース」誕生の予感に虎党たちは胸を熱くしているが、遠く海を隔てた沖縄の地では「ミスター泡盛」としての期待も高まっている。

2点ビハインドの6回二死無走者で迎えた第3打席だ。相手投手・畠の投じた初球外角低めへの152キロを佐藤輝はすくい上げるようにインパクト。平凡な外野フライに終わるであろうと直感した虎党たちはタメ息を漏らした。ところが、白球は予想外のノビを見せ逆方向の左翼ポール際へ着弾。背番号8の怪物性を象徴するような不思議な弾道の余韻は、その後もしばらく球場内を覆い続けた。

シーズン40発ペースでアーチを積み重ねる佐藤輝。球団新人最多記録の22発(1969年、田淵幸一)だけでなく、プロ野球記録のルーキーイヤー31発(59年、桑田武・86年、清原和博)更新も現実味を帯びてきた。そんな規格外ルーキーの快進撃に連日胸を躍らせているのは、チームの春季キャンプ地・沖縄で70年以上、泡盛の製造、販売を行ってきた「比嘉酒造」の社員たちだ。

「残波阪神タイガースボトル」を販売するなど、猛虎との縁も深かった同社は今春、佐藤輝に対し「ホームラン1本ごとに泡盛1ケース(一升瓶6本入り)プレゼント」という太っ腹の後方支援策をスタート。すでに18本塁打をマークした佐藤輝の「積み立て泡盛」は一升瓶108本、リッター換算で194リットルにまで到達し「このままだと年間約40発ペースですか。シーズン終了後にまとめて球団へお送りするつもりだったのですが、最終的にはフォークリフトが2台必要な量になりますね」と同社の担当者も苦笑いだ。

実はこの比嘉酒造、過去に全く同様のキャンペーンを新外国人のエリック・キャンベル内野手(2017年)、ウィリン・ロサリオ内野手(18年)を対象に行ってきたが、キャンベルはシーズン通算1本塁打、ロサリオは8本塁打しか残せず1年でチームを去ることに…。そんな〝ジンクス〟を規格外のパワーで打ち砕いてくれたこともあり「社内でも大盛り上がりですよ。将来的には我が社の商品や泡盛の魅力を広く世間にPRしてほしいですね」(前出の担当者)と新たな〝泡盛大使〟としての起用も検討中だ。

16年ぶりのリーグ制覇、そして36年ぶりの日本一へこれ以上ない期待が集まる今シーズン。秋には大量の美酒で〝大トラ〟になれるか――。

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