神奈川県の未病アプリ「誰も知らない」 県議の指摘に、黒岩知事の答えは?

黒岩祐治知事(資料写真)

 健康・医療情報を一元管理し個人の未病改善につなげようと神奈川県が開発した無料アプリ「マイME─BYOカルテ」を巡り、21日の県議会本会議で費用対効果を追及する質疑があった。

 公明党の鈴木秀志氏は代表質問で、同アプリについて「県は多額の予算を投入してきたが、金額に見合った成果を県民は実感しているのか」と疑問を呈した。

 県によると、現在128万人が登録し、健診結果などの記録機能に加え、昨年3月からは開発した「未病指標」を活用して未病状態の見える化も進めている。

 鈴木氏は「どれだけ知られているか、地域で聞いても誰も知らなかった」と指摘。「県民の8人に1人が登録している計算だが、登録者の利用実態も県は把握していない」とし、「県民がメリットを感じられる事業展開が不可欠だ」と主張した。

 黒岩祐治知事は「利便性をより高め、県民に利用してもらえるようにすることが必要」と強調。地域の病院や薬局などが患者の医療情報を電子的に共有・閲覧できるネットワークと連携し、「医療機関受診時の検査結果などをアプリで確認できるようにする」と述べた。

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