状況によって無観客ある 橋本会長

 東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の橋本聖子会長は21日、五者協議後の記者会見で「新型コロナウイルス感染症の状況が変わっていくことも十分考えられる」とし、「(感染拡大、医療逼迫など)状況がそういう状況になった時には、無観客も含め早急に対応していかなければいけない。状況によっては無観客もある」と語った。

 組織委の武藤敏郎事務総長は五輪開会式に関係者含めると2万人規模になるとの報道が一部であるが、との記者団の問いに「開会式に2万人との報道があったことは承知しているが、今、精査中なので具体的数字は言えない。しかし、それ以上に少ない数字になるだろうと思っている。大会運営に関係する人たちは主催者なので、観客ではない(扱いにする)方針だけは変わっていない」などと述べた。関係者とはIOC関係者やクライアントなどを刺して表現している。

 この日の会見で、橋本会長は記者団の問いに答え、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長ら専門家による提言について「尾身会長の提言には『中止』ということはなかった」などと語った。

 とりもなおさず、G7で菅義偉総理が参加各国首脳に安全安心の対策をとったうえで五輪開催するので支持をと既成事実を世界の場で発信したがために、提言から消された経緯がある。

 開催が約束事のようになったためであり、総理がもっと慎重な対応をしていれば、尾身氏ら専門家らの提言に「中止」の文字が入った可能性はあったはずで、橋本会長はこうした経緯さえ踏まえていなかったのか、認識に疑問符がつく発言だった。(編集担当:森高龍二)

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