【スーパーのオーケーが薬局事業開始】「オーケー薬局を始めます」

【2021.06.22配信】首都圏を中心に食品スーパーなどを展開するオーケー(売上高5000億円)は、22日までに2021年3月期の業績を公表。今後の経営課題も示した。その中で、「オーケー薬局を始めます」と記述し、処方箋調剤の取り扱いによって利便性を拡充していく方針を明らかにした。

目指すは「オーケーに来れば、食料品、日用品は勿論、クリニックもあって、お薬まで全て揃う」

「対処すべき課題」として、薬局事業の展開を明らかにした。

同項では、2021年3月期の業績に関して、売上高5,076億円、前年比116.8%、既存店前年比112.5%、総経費率15.69%と、コロナ禍による内食需要増加もあり、売上高前年伸長率、総経費率とも大きく改善したと報告。

「昨年のコロナ感染拡大以降、一日も臨時休業することなく、営業を継続してきた従業員のお蔭と感謝しております。初めて売上高が5千億円を超えましたが、世界の競合と比べれば、まだまだ小規模であることを自覚し、『極めて謙虚で、極めて誠実、極めて勤勉』を推進、初心に戻ってやり直します」と表明している。

今期2022年3月期の計画については、売上高 (開店予定の新店除く)は5,483億円、前年比108%を目指す。

今期の目標に関しては、「まず全部門・全店予算達成が目標」とした上で、価格・品質戦略を改めて徹底する考えを表明。「競合は、前年潤った利益を原資に、激しい競争を仕掛けてきています。当社が圧倒的な勝ち戦を展開するために、全ての商品について 売価原価は国際的にも競争力があるか、最も安く買付られる商流か、売上は伸びているか、美味しい商品か、品質の良い商品か、物流は効率的か等、あらゆる見直しを行います。売上が伸びない商品があったら、何故伸びないのか、原因を徹底して探り、改善します。改善出来なかったら、品揃えとして必要か否かを検討します。取扱商品が変わり、売場が格段に変化すれば、売上を飛躍的に増やすことが出来ます」としている。

新店の開店は10店を目標とする。
ここ数年、新店の数が停滞気味だたとして、「大いに反省している」とした。

人口が密集する「国道16号線内」においても、「当社が出店できていないエリアはまだ沢山あり、土地の売却や有効活用をご検討されている地主様も大勢いらっしゃいますが、当社の出店につなげられていません。開発部隊を強化し、一店でも多く、早く、出店したい」としている。

物流網については、2020年2月18日時点で全ての常温食品が自社物流センター経由の納品に変わったという。その直後から始まったコロナ禍による急激な物量増にも対応し、開業後一年超で稼働は「随分と安定してまいりました」と振り返った。

「今後は、更なる自動化も視野に 生産性の向上、効率化に一層取り組み、経営方針『高品質・Everyday Low Price』の強力な礎にします。また、常温商品のみならず、他温度帯の物流網の整備にも、本格着手します」と計画を述べている。

さらに、事業拡大に関しては、高齢化への対応を前提に挙げる。
「高齢化が進行しています。長年、当社をご利用いただきながら、ご年齢とともにお店に来るのが難しくなったお客様もいらっしゃいます。また、コロナ禍で、感染が怖くて来店できない、とのお客様の声もお聞きしています」との見解を示し、その対応の1つとして、ネット宅配事業の開始を表明。
ネット宅配事業の商品価格は、オーケーの店頭価格とする(各店の競合店対抗値下げは適用外)。
注文1回あたりの最低買物金額は1万円から、配送料は原則として買物金額の4%とする。
普段利用している店舗(小型店を除く)から、商品を届ける(遠距離の場合は除く)。
ネット宅配事業でも、経営方針である「高品質・Everyday Low Price」を徹底していく。

同時に、高齢化へのもう一つの対応策が薬局事業だ。
「オーケー薬局を始めます」と表明。
同社では現在も、一部店舗に薬剤師・登録販売者が常駐し、大衆医薬品を販売している。
それに加え今年は、病院で処方される薬もオーケー店舗で受け取れるように調剤薬局事業を始める方針。
大型店においては、クリニック併設も構想する。
「名医が揃うクリニックも併設すれば、お客様にとって誠に便利と存じます。オーケーに来れば、食料品、日用品は勿論、クリニックもあって、お薬まで全て揃う。『オーケーがそばにあって本当に良かったわ!』、お客様にこう言っていただけるよう これからもお客様にとって無くてはならないお店、電車の駅のようなお店を目指してまいります」としている。

経営目標は、「借入無しで年率20%成長の達成」。
そのために、毎年、既存店を伸ばし、新店を積極的に出店していく方針。

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