人生、社会の在り方を問い直す映画2本  7月4日に上映

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 7月4日(日)に山口県教育会館(山口市大手町2)で、西京シネクラブによる映画上映会が開かれる。上映されるのは2本。 

  

「ワン・モア・ライフ!」  

 1本目は、人生のやり直しをラスト92分間にかけたヒューマンドラマコメディ「ワン・モア・ライフ!」(2019年、イタリア)で、上映時間は午前10時半、午後1時半、7時からの3回。    

 イタリアのシチリア島の州都パレルモで暮らす中年男性パオロは、自らの不注意でスクーター事故を起こし、命を落としてしまう。その後、天国へと運ばれたが、あまりに短い人生に納得がいかず、天国の入り口で猛抗議をする。すると、前代未聞のミスで想定より早く死んだことが判明。92分間の猶予が与えられて地上に戻ることに。パオロはこれまで身勝手に生きてきたせいで愛想を尽かされてしまった家族との絆を、少しでも取り戻そうと奮闘する―。   

 本作は、脚本家でもあるフランチェスコ・ピッコロの短編小説「取るに足らない幸せの瞬間」と「取るに足らない不幸の瞬間」の2冊をもとに作られた。    

 監督は1960年イタリア・ローマ生まれのダニエーレ・ルケッティ。教皇フランシスコの知られざる激動の半生を描いた『ローマ法王になる日まで』(2017年、イタリア)は、日本でも公開され好評を得た。

    

「はりぼて」    

 2本目は、富山市議会の政務活動費を巡る不正受給問題と、その後の政治家たちの姿を追ったドキュメンタリー映画「はりぼて」(2020年日本)で、午後4時から。

▲©チューリップテレビ

 2016年8月、富山県富山市のローカル局「チューリップテレビ」のニュース番組が「自民党会派の富山市議 政務活動費事実と異なる報告」とのスクープ報道をした。この市議は“富山市議会のドン”といわれていた自民党の重鎮で、その後、自らの不正を認め議員辞職。これを皮切りに議員たちの不正が次々と発覚し、半年の間に14人の議員が辞職していった。    

 その反省をもとに、富山市議会は政務活動費の使い方について「全国一厳しい」といわれる条例を制定したが、3年半が経過した2020年、不正が発覚しても議員たちは辞職せず居座るようになっていった。政治家の非常識な姿や人間味のある滑稽さという「はりぼて」が映し出される―。    

 監督は、チューリップテレビの元アナウンサー五百旗頭幸雄(いおきべゆきお)と、当時取材記者だった砂沢智史(すなざわさとし)。2016年12月に放送された報道番組「はりぼて~腐敗議会と記者たちの攻防」で、チューリップテレビは、日本記者クラブ賞特別賞、ギャラクシー賞報道活動部門大賞、菊池寛賞を総ざらいした。    

 それぞれ、前売り券は一般1500円。同館、山口市民会館、YCAMなどで購入できる。当日券は、一般1800円、19歳から25歳まで1000円、18歳以下800円。電話予約・問い合わせは、主催の西京シネクラブ(TEL083-928-2688)へ。

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