【詳報】7月9日から事前合宿 上越市・ジムリーナで練習、感染対策入念に 東京五輪出場ドイツ体操チーム

 東京オリンピック・パラリンピックでドイツチームのホストタウンとなっている上越市は22日、東京五輪に出場する同国体操チームの事前合宿受け入れを7月9~25日の日程で行うと発表した。選手団は選手、コーチら総勢21人。大潟区九戸浜の上越体操場ジムリーナを練習会場に使う。行動を練習場所と宿泊先の市内ホテルに限定するなど、感染症対策を入念に施す。

 所管する市教育委員会オリンピック・パラリンピック推進室の説明によると、選手団は7月9日に来日し、羽田空港から貸し切りバスで同日夜に上越市入りする。翌10日から練習が始まる予定で、ホテルと練習会場は市の専用マイクロバスで移動する。練習時間は五輪本番での演技時間が定まっていないことから未定という。

ドイツ体操チームの選手。実際来日する選手は10人(2019年9月撮影、ドイツ体操連盟が上越市に提供)

 選手団は代表1人、選手10人(男女各5人)、コーチ6人、医師1人、理学療法士2人、マネージャー1人の計21人。出場選手は7月18日に選手村へ移動し、同24日からの競技に備える。控え選手らは同25日まで上越に滞在予定。選手の中には2019年の世界選手権で個人総合や種目別の入賞者も複数いる。当初は新体操やトランポリンの合宿受け入れも予定していたが、今月の最終予選の結果、出場権を獲得できなかった。

 感染症対策は国の手引きを踏まえたマニュアルを作成して取り組む。行動を宿泊先と練習会場に限定し、移動は専用車両で。ホテルでは個室利用、フロア貸し切り、他の宿泊客との動線の分離、食事時は貸し切り室を使う。練習は貸し切り使用。選手や同行する市職員、通訳は毎日、検査を実施する。

 入国に際しては2週間前から健康チェックを行い、4日前~3日前の間に2回検査して陰性証明を提出する。万一、陽性反応者が出た場合の対応は、県や保健所と検討している。現在、選手団21人のうち20人が2回のワクチン接種を済ませているという。

練習会場となる上越体操場ジムリーナ(5月の新潟県高校総体から)

 市民の応援や交流は当初計画より縮小するが、期間中に公開練習を予定(日時未定)。見学は定員(250人)の半数とし、2階観覧席から。小中学生によるメッセージ横断幕を作成して掲示し、オンラインを活用した小中学生と選手との対話を検討している。地元事業者などによる「ジムリーナと新しい夢を育む会」でチームの歓迎を検討しているという。練習時は一般社団法人「レインボージムナスティックス大潟」のスタッフがサポートする。

 記者説明に対応した市川均教育部長は「当市にとって大切な友人を招き、迎える。子どもたちをはじめ市民がドイツ体操チームと心のつながりを感じ取ることができるように、市としても工夫していきたい。市民、選手、関係者の安全安心が最優先されるものと考えており、徹底して取り組んでいきたい」と話した。

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