プロ野球解説者・大西崇之が星野仙一氏と交わした「最後の言葉」

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東海ラジオ『大澤広樹のドラゴンズステーション』6月17日のコメンテーター大西崇之氏が、中日の監督などを務め2018年に亡くなった星野仙一氏との思い出を話した。大西氏は、現役時代のうちの6年間を監督・選手として星野氏と過ごし、引退後も、星野氏が亡くなるまで交流を続けた。

大西氏は「いろいろな思い出があった」として、その中から挙げたのが、星野氏が亡くなる直前の会話だった。東京でばったり会ったときに、星野氏から「おまえ、わしの家、ピンポンダッシュして逃げとるらしいなあ」と言われたというのだ。

当時、巨人の関西の宿泊ホテルの近くに、星野氏が自宅を新築中で、巨人のコーチだった大西氏は、毎朝、ジョギングをしていた。そして、星野氏と共通の知人から聞いて、星野氏の自宅の場所を知っていたのだ。

大西氏は、共通の知人に「『今度、ジョギングのときに監督の家のピンポン鳴らして逃げたる』と言うとってください」と伝えていたとのこと。その言葉が、知人を通じて星野氏に伝えられていたため、ばったり会ったときの「おまえ、わしの家・・」の言葉となったらしい。

そのとき大西氏は、咄嗟に「何で知ってるんですか！」と答えた。実際は、チャイムを鳴らすことはなかったそうだが、大西氏は「それが最後の会話になるとは夢にも思わなかった」と話した。

また、巨人と楽天との交流戦のときに、楽天副会長だった星野氏が巨人ベンチを訪れ、高橋監督や村田コーチと談笑する中で、星野氏が大西氏の顔を見たあと下を向いて、高橋監督に「由伸、大西(コーチ)は大丈夫か」と言ったことがあった。

大西氏は「大丈夫ですよ。しっかりやりますよ」と答えたが、星野氏は「わしは、一番心配や」と笑っていたそうだ。大西氏は「いつも会った時には必ず何かイジってくれる。愛情があって大好きだった」と振り返った。

こんな気さくな会話が交わせるほどの関係だったふたりだが、大西氏は「現役時代は結構厳しく怒られた。ベンチで横に座るようにしていたので、冗談交じりも含めていろいろ言われた」とのこと。

厳しいことを言いながらも、慕ってくる選手に対して、愛情を持って答える、そんな星野氏の人柄に魅了されていた大西氏。「後で思えば、最後も笑ってさよならできたんだなあ」としみじみと話していた。

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