平和首長会議加盟へ 県内33自治体で最後 横須賀市

 横須賀市の吉田雄人市長は、核兵器廃絶を目指す非政府組織(NGO)の平和首長会議(会長・松井一実広島市長)に2016年度から加盟する方針を表明した。同市は県内33自治体で唯一、同会議に加盟してこなかった。

 1989年に「核兵器廃絶・平和都市」を宣言するなど、「さまざまな場面で(平和の)意思表明をしてきた」(吉田市長)としているが、米原子力艦の配備や寄港の現状も、平和首長会議に未加盟だった背景にあるとみられる。旧軍港4市では長崎県佐世保市も加盟していない。

 吉田市長は2月29日の市議会定例会で、地元の横須賀遺族会が2015年度限りで解散することなどから「平和の尊さを次世代に伝えていくことを、戦争体験者だけに頼ることはできない」と述べた。伊関功滋氏(研政)の代表質問に答えた。

 平和首長会議は広島、長崎両市の呼び掛けで1982年に結成。2020年を目標にすべての核兵器の解体などを掲げる。3月1日現在で、世界161カ国と地域の6996都市が参加している。吉田市長は毎年5月に開く「市戦争犠牲者を慰め平和を祈念する集い」についても、遺族会解散後も内容の一部を見直して継続していく考えを示した。

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