長崎県 感染ステージ2へ引き下げ、佐世保は「3」 宿泊割引が7月再開

ステージ2への引き下げを発表する中村知事=県庁

 長崎県の中村法道知事は22日の臨時記者会見で、県内の感染状況が一定落ち着いているとして、感染の広がりを5段階で示す独自のステージを「3(急増)」から「2(漸増)」に23日付で引き下げると発表した。ただ佐世保市は今なお病床使用率が高いなどの理由で「3」のまま警戒警報を継続する。これに伴い県は、県民限定の県内宿泊割引キャンペーン「ふるさとで“心呼吸”の旅」を7月1日から再開する。
 県によると、佐世保市以外では、ステージ判断の指標となる新規感染者数と病床使用率、療養者数がいずれもステージ「1(散発)」の水準に下がっている。同市の新規感染者数も6月8日をピークに減少傾向にあるが、21日時点で新規感染者数と病床使用率が「3」、療養者数が「4」の基準を超えている。
 宿泊割引キャンペーンは同市だけ「市内の感染状況を1週間程度見極める」として判断を先送りした。
 知事は、感染力が強いとされる変異株の割合も高まっていると強調。県民に対し「(第4波の)大きな峠を越えたが、(感染者)ゼロの日がなく、市中に感染リスクが残っている。今後も気を緩めず危機意識を持ち続けて」と感染対策の徹底を呼び掛けた。
 具体的には▽政府の緊急事態宣言や、まん延防止等重点措置が出ている感染拡大地域11都道府県との不要不急の往来を自粛▽会食は家族など普段一緒にいる人と短時間にとどめる▽複数店舗の飲み歩きは控える-など。感染拡大地域への出張時は会食を控えるよう求めた。
 県は23日付で、県本土(長崎、佐世保県北、県央、県南の4医療圏)の専用病床確保のフェーズを最も高い「4」から「3」に引き下げる。ただ佐世保県北医療圏は約4割の確保病床が埋まっているため、「4」に相当する93病床を維持する。県本土の確保病床数は335床から242床に減る。

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