五島の高糖度カボチャ 「くり大将」初出荷 11戸栽培、収入増図る

収穫した「くり大将」を鉄コンテナに入れる五島七岳ファームの従業員=五島市上大津町

 長崎県五島市の農業生産法人五島七岳ファーム(大谷豊社長)など11戸が本年度から栽培を始めた高糖度のカボチャ「くり大将」が初出荷を迎えている。450キロ前後まで収容できる鉄コンテナによる一斉出荷で大幅に作業が軽減され、農家は収入増を目指す。
 県五島振興局と同法人によると、くり大将は糖度12度以上と甘く、ほくほくとした食感が特徴。こうした栗系カボチャは需要が高いとして、新たに取り組むことになり、3月に苗を植えた。本年度は同法人など11戸が計2.8ヘクタールで栽培し、生産量は35トンを見込む。数年後には計10ヘクタールで200トンを目指す。
 生産者はJAごとうを通じて青果専門商社のMVM商事(神戸市)に出荷。カボチャは鉄コンテナに入れて出荷され、同社が洗って乾かしたり、選別したりする。このため、生産者側の労力が軽減される。
 同社は、全国のスーパーと取引があり、糖度や水分量など一定の基準を満たしたカボチャをブランド化し、販売している。温暖な気候でカボチャの栽培実績もある五島を新たに産地に加えて、より安定した供給体制をつくる。
 同法人は本年度、くり大将を1ヘクタールで栽培。通常なら洗浄や箱詰めなど7~10日かかっていた作業が、鉄コンテナでの一斉出荷によって大幅に省力化されたという。収穫は今月で終わる見通し。大谷社長は「作業の負担軽減によって、生産規模を広げやすくなる。品質の良い生産に努め、付加価値を付けて出荷したい」と話した。

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