「魚醤粕コマセ」商品化 海洋高食品研究部 「最後の一滴」搾り粕を有効使用

 糸魚川市能生の県立海洋高(増田てつ志校長)の部活動・食品研究部はこのほど、株式会社能水商店(松本将史社長)と共同で釣り場で使用する集魚材「コマセ」を商品化した。材料に鮭魚醤(さけぎょしょう)「最後の一滴」の製造過程で生じる搾り粕(かす)を有効使用。ご当地商品の「魚醤粕コマセ」として19日から、道の駅マリンドリーム能生内のセブン―イレブンで試験販売している。

 搾り粕は塩分が多く肥料としては使えず、これまでは廃棄していた。コマセにするアイデアが以前からあり、大手釣り餌メーカーに分析を依頼。アミノ酸が豊富で、魚肉や米ぬかと混ぜることにより商品化できることが分かった。

 もともと海にすんでいたサケから取った搾り粕は、海洋環境への悪影響がない。松本社長は「『最後の一滴』に続く、資源のリユース、リサイクルにつながる取り組み。高校生の活動としても意義深い」と話す。

 商品開発は、同部の小野匠瑞君(海洋技術コース3年)と丸山佑太君(同2年)が担当した。籠に入れたり、じかにまいたりして使用するコマセは、水中での溶け具合がポイント。釣り好きの経験を生かし「いろいろな人の話を聞き、さまざまな組み合わせを考えた」「籠の中での残り方、散らばり方を研究した」と振り返る。

「魚醤粕コマセ」をPRする小野君(右)と丸山君(19日、マリンドリーム能生内のセブン―イレブン)

 パック入りにし、手を汚さず籠に入れられるように工夫。余ったらキャップをして再使用できる。冷凍による長期保存も可能。

ラベルに二次元コード アンケートで意見吸い上げ

 ラベルには、釣果アンケートにつながる二次元コードを掲示した。釣り人の意見をフィードバックし品質改良を行い、来春から本販売する。アンケートも生徒2人で作成。松本社長は「ICT技術を生かして商品開発ができる、良い時代になった。皆さんの声が聞きたい」と期待する。

 同商品は1パック500円(税込み)。上越地域や県内全体を見据え、月間2000パックの販売を目指す。移動販売も適時行う。問い合わせは同社(電025・556・6950)へ。

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