へずまりゅう迷惑動画で「月額200万円」荒稼ぎ 実は再生回数ではない収入の内訳

再生回数よりも知名度アップにこだわっていた

迷惑動画で高収入が得られるカラクリとは。

「へずまりゅう」の名前でユーチューバーとして活動中、スーパーで魚の切り身を盗んだとして、窃盗などの罪に問われた原田将大被告(30)は22日、名古屋地裁岡崎支部で開かれた初公判の罪状認否で「弁護士に説明してもらいます」と述べた。弁護側は窃盗罪について「直ちに精算する予定だった」と無罪を主張、他の起訴内容は認めた。

検察側は冒頭陳述で被告が批判を浴びるような動画を投稿する「突撃系ユーチューバー」だったと指摘。「愛知県岡崎市のユーチューバーを突撃しようとして訪れたが見つけられず、別の動画を投稿しようと店内で魚を食べる動画を撮影した」と述べた。

被告は、切り身を食べた動画を撮影したのは「レジの店員が困惑する表情を撮影し、精算後に笑いながら退店する企画だった」とし「店に迷惑を掛けてしまい情けなく、取り返しがつかない。自分の中の黒歴史」と話した。

そんな原田被告はユーチューバーとして多い時で月額200万円の報酬を得ていたという。人に迷惑を掛けて高額な報酬を得るとは、どういうことなのか。

ITジャーナリストの井上トシユキ氏は「ユーチューブの規制が厳しくなっており、過激な動画は投稿数が制限されたり、広告もつきにくい。そういった迷惑系ユーチューバーの方はTシャツなど自身のグッズで収益を得ている人が多い」と話す。

グッズの売り上げが8割を占め、再生回数に応じて得られる収入は2割程度というユーチューバーもいるという。事実、ネット検索すると原田被告をモチーフにしたTシャツが販売されている。同被告の直筆サインもオークションで落札されており、一定の支持者はいるようだ。

「自分にはできない大胆なことをやっているユーチューバーを応援する人が、クラウドファンディングのような感覚でグッズを買ったりしている。へずまりゅうさんのように投稿者が逮捕されたりチャンネルが閉鎖された場合、グッズにプレ値が付くと考えて転売目的で購入する人もいる」と井上氏。

コロナ禍を一瞬でも忘れさせてくれる楽しい動画が増えてほしいものだ。

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