長崎県 宿泊キャンペーン再開 7月1日から 中村知事「安心して利用を」

 新型コロナウイルス感染拡大で一時停止されていた長崎県民限定の県内宿泊割引キャンペーン「ふるさとで“心呼吸”の旅」は7月1日から再開する。感染者が連日確認されている佐世保市だけは今後の状況次第で、6月29日ごろに再開時期を判断する。
 中村法道知事は22日の会見で「県内の感染事例を分析すると、宿泊施設や観光施設が感染の場になった事例はほとんどない」と指摘。長崎大の監修で施設の感染防止策を認証する「チーム・ナガサキ・セーフティー」の活用を事業者に促す一方、県民に対しては、予約時にこれを参考として「安心して(宿泊施設を)利用してほしい」と勧めた。
 県と県観光連盟は3月8日にキャンペーン第1弾を、4月15日から第2弾を開始したが、いずれも4月23日に停止していた。
 第1弾は8万泊分の宿泊券販売を既に終了した。このうち約1万2千泊分がまだ利用されていない。使用期限は8月31日(9月1日チェックアウト)。
 第2弾は宿泊券がなく、電話やインターネットの予約時にキャンペーン利用を伝えると宿泊代金の半分(上限5千円)を支援。旅先の飲食店や土産品店などで使える2千円分の地域限定クーポンも発行する。予算化した約50万泊分、25億円のうち、停止時までに約7400泊分、約2800万円が利用された。
 第2弾の予約受け付けは6月25日午前10時から8月31日まで。利用期限は12月31日(1月1日チェックアウト)。月3泊まで同じ宿泊施設を利用できる。各施設の割引配分枠は、宿泊実績や収容人数で差がある。
 問い合わせは第1弾が050.8881.6347。第2弾は6月30日まで095.872.7888、7月1日以降095.818.3355。

 ◎ふるさとで“心呼吸”の旅 業者「一斉に」「待っていた」

 7月1日再開が決まった県民向け宿泊割引キャンペーン「ふるさとで“心呼吸”の旅」。県内のホテル・旅館関係者から歓迎する声が上がる一方、いったん除外された佐世保市の事業者からは早期再開を望む切実な思いが漏れた。
 新型コロナウイルスの感染状況を1週間ほど見極めた上で再開を判断される同市。あるホテル関係者は「今の状況では仕方ないとも思うが、できれば一斉に再開してほしかった」と率直な思いを明かす。宿泊者数はコロナ禍前の2019年に比べて7~8割減の状況が続いている。県のキャンペーン再開後には市独自の宿泊料金助成事業も始まる予定。「期待はかなり大きい。少しでも早く参加したい」と話す。
 長崎市内のあるホテルの担当者は「再開を待っていた」。県のキャンペーンが始まったころは新たな県内客を取り込んだ手応えがある。従業員は200項目を超える独自の感染防止策を徹底しており「安全安心を確保してお客さまを迎えたい」と意気込む。
 雲仙市の小浜温泉街の旅館、湯宿蒸気家の山下晃輝社長(24)は「キャンペーンが停止、再開を繰り返すようだと先が見えず不安になる。ワクチン接種が進んで早く収束を迎えてほしい」と期待を込めた。

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