粘着物質使用禁止の影響? コールの回転数が2017年以降最少に

ヤンキースは日本時間6月23日のロイヤルズ戦に5対6で敗れたが、ヤンキース先発のゲリット・コールは7回108球を投げて被安打3、奪三振6、与四球3、失点2とまずまずのピッチングを見せた。このコールについて「ESPN Stats & Info」のTwitterアカウントが興味深いデータを紹介している。この試合はコールが記録したフォーシーム、カーブ、スライダーの3球種の回転数が2017年以降の全登板で最も少なかったというのだ。粘着物質使用の取り締まりが強化された影響とみられる。

コールは先日、粘着物質の「スパイダー・タック」を使用したことがあるかを尋ねられ、「正直に言って、どのように答えればいいかわからない。先輩から後輩へ、前の世代から現代の世代へ受け継がれてきた慣習ややり方があるからね」と微妙なコメントを残していた。ここ数試合の回転数の減少については「自分のベストな投球ができていない」と自身のコンディションやメカニクスに問題があるとの見解を示していたが、ボールの回転数はそれだけでは説明がつかないほどの減少を見せている。

コールは2017年に自己ワーストの防御率4.26に終わったが、パイレーツからアストロズへ移籍した2018年に15勝5敗、防御率2.88、276奪三振の好成績をマークして復活。2019年には20勝5敗、防御率2.50、326奪三振という自己最高の成績を残して最優秀防御率と最多奪三振のタイトルを獲得しただけでなく、サイ・ヤング賞の投票でも自己最高の2位にランクインした。

その実績を引っ提げて投手史上最高額となる9年3億2400万ドルという超大型契約をヤンキースと結んだわけだが、ここ数年の好成績が粘着物質に支えられたものであったとすれば、ヤンキースはとてつもなく高い買い物をしてしまったことになるかもしれない。

直近の3先発は6回5安打2失点、8回4安打2失点、7回3安打2失点といずれもクオリティ・スタートを記録しているが、2ケタ奪三振をマークしたのは日本時間5月13日のレイズ戦が最後。超大型契約に相応しい存在であることは、これから自身のピッチングで証明していくしかない。

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