UEFAがミュンヘン市長のレインボーカラー点灯の要請を拒否…ハンガリーのLGBT政策に抗議

 欧州サッカー連盟は(UEFA)はEURO2020ドイツとハンガリー戦において、ドイツのミュンヘン市長が申請したレインボーカラー点灯を拒否した。

 ハンガリーではビクトル・オルバン首相率いる右派政権が同性愛や性転換に関する情報を、18歳未満に対して広めることを制限する法案を可決。これが国内外で議論を呼び、ミュンヘン市のディーター・ライター市長は21日にUEFAにスタジアムを虹色にライトアップできよう要請した。しかしUEFAは申請を断り、EURO試合日ではなく代替日でのライトアップを提案。声明で理由を説明している。

「ミュンヘン市長は要請書の中で、この要請の理由をハンガリー議会で決定した政治的決定であると説明した。だがUEFAは、サッカーは誰にでも開かれるという理念を広めるために活動してきた。UEFAは欧州サッカーを統括する機関として、欧州全土のファンや組織をまとめ調整する義務がある。その規約により、今回の要請が政治的背景つまりハンガリー国会の決定に対するメッセージであることを考慮すると、UEFAはこの要請を拒否しなければなならない」。

「UEFAはミュンヘン市に対し、クリストファー・ストリート解放の日である6月28日、またはミュンヘンのクリストファー・ストリート・デー(CSD)ウィークである7月3日から9日のいずれかの日に、スタジアムをレインボーカラーでライトアップすることを提案する」。

 CSDとは、1969年6月28日にニューヨークで起きた同性愛者への警察の不当な弾圧に対する蜂起を記念して定められた日で、ライター市長はUEFAの決定に憤慨。スタジアムの代わりに、街のランドマークにイルミネーションを施すと示唆している。

UEFAがミュンヘン市の虹色ライトアップ要請を拒否 Photo Alexander Hassenstein

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