赤木ファイル開示されるも黒塗りに妻側「国が修正した文書」と第三者の再調査を訴える

赤木ファイル公開も妻・雅子さんは再調査求める

学校法人「森友学園」の国有地売却問題を担当していた元財務省近畿財務局職員・赤木俊夫さん(54=当時)が、佐川宣寿元国税庁長官(63)の指示で決裁文書改ざんを強制され自殺に追い込まれたとして、妻の雅子さん(50)が国と佐川氏に計約1億1000万円の損害賠償を求めた訴訟の第4回口頭弁論が23日、大阪地裁(中尾彰裁判長)で開かれた。

弁論に先立ち、俊夫さんが改ざんの過程を記録した〝赤木ファイル〟が開示された。原告側はファイルをもとに俊夫さんが受けた心理的負荷の強度を立証したいとしており、証拠として採用されることが決まった。

雅子さんは「赤木ファイルを見て夫の字だとすぐにわかりました。ファイルをつくってメモを残してくれたのだと思うと、涙が出そうになりました」と意見陳述した。

一方で、〝黒塗り〟されたファイルでは、佐川氏の指示の具体的な経路が明らかになっていないとして、国に全てを明らかにし、第三者による再調査を実施すべきと主張した。

原告側代理人も開示された赤木ファイルについて「今回出てきたのは赤木ファイルじゃない。赤木ファイルに国がマスキングをかけて修正した文書」と指摘。ファイルは写しで提出されており、「内容を見る限り大部分は出てきているだろうと推測するが、付箋の裏側やコピーした時に写らない薄い文字などもある。これが本当のすべての情報なのかと確認できていない」として、原本を出し渋る国側に確認を求める方針だ。

訴訟で国側はのらりくらりの対応を繰り返している。麻生太郎財務相はファイルの開示について「裁判所の訴訟指揮に従い、我々も真摯、適切に対応している」と話しているが、代理人は「必要以上の情報を出さないというスタンスは一貫している」と対応を皮肉った。

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