楽天・田中将53日ぶり白星でも晴れない〝侍ジャパンの暗雲〟

味方打線の援護と救援陣に助けられ3勝目を挙げた田中将

ここから巻き返しとなるか。楽天・田中将大投手(32)が23日の西武戦(メットライフ)で6回8安打4失点ながら、味方打線の援護と救援陣に助けられ5月1日のロッテ戦以来、53日ぶりの白星となる3勝目(4敗)を挙げた。6―4の勝利でチームの連敗は7で止まり、どうにか勝利に貢献した格好だ。

味方の得点した初回と4回に失点を重ね、逆転まで許した内容は決して褒められるものではなかった。しかし、過去9戦の登板で援護がわずか1・67点だった味方打線が恩返しとばかりに爆発。田中将の降板直後に5―4と逆転。7試合ぶりの勝ち星が転がり込んだ。

田中将は「(連敗が止まり)ホッとしたなんてものではない。めちゃくちゃうれしい。ただ、自分の投球内容はチームが初回からいい形を作っている中で失点をしてしまい、その後にも失点を繰り返してしまって味方の流れを削いでしまった。自分の投球が邪魔をしてふがいない気持ちでいっぱい。今日は助けてもらって勝てたので気持ちの部分では救われた感がすごくある」と自らの投球を反省しながら打線の援護に感謝した。

長いシーズンの中ではいい投球をしても勝てない時もあれば、納得できない投球でも打線が助けてくれる試合もある。この日は後者だったという話だ。

それでも先日内定した東京五輪の野球日本代表「侍ジャパン」に目を転じれば暗雲は晴れない。稲葉監督が「田中選手、菅野選手は国際経験も豊富。日の丸を背負うことに熱いものを持った選手と思っている。2人で先発陣を引っ張っていってもらいたい」と期待をかける2人が登録抹消&本調子にはもうひとつと不安を露呈している。

果たして残り1か月で侍指揮官が望むポジションに状態を上げていけるのか。田中将は「ファンの皆さんの期待、チームからの期待。そこに応えていくのがプロ野球選手だと思う。その期待に応えられるよう頑張りたい」と自らの信念を語り、置かれている状況に立ち向かう覚悟だ。

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