虎の規格外ルーキー・佐藤輝は年俸も新人記録更新か…〝億超え〟夢じゃない!

6回に19号ソロを放った佐藤輝

阪神・佐藤輝明内野手(22)が23日の中日戦(バンテリン)の6回に19号ソロをマーク。NPBの新人左打者としては歴代最多本塁打(2リーグ制以降)となる高橋由伸(1998年、巨人)の記録に65試合時点であっさりと並んだ。球史をひもといても前例がないほどの活躍を続ける規格外ルーキーは、シーズン終了後にどれだけの結果を残しているのか、そしてどれだけの評価を受けるのか――。

白球をインパクトした瞬間、強烈な打球音が球場内に鳴り響いた。1―2の6回一死無走者。この日3度目の打席に入った佐藤輝はカウント1―1から相手先発・福谷の投じた外角へのチェンジアップを一閃。高々と舞い上がった打球は広いバンテリンドームをものともせず、バックスクリーン右へ飛び込んだ。

節目となる19号到達だったが、試合後の佐藤輝は2―6の完敗劇に消沈気味。「(19号到達は)ポジティブに捉え、次でしっかり勝って甲子園に帰りたい」と言い残し、球場を後にした。

開幕当初は1割台に沈んでいた打率も気が付けば2割9分まで上昇。3割到達も夢ではない。19本塁打はリーグ2位、47打点は同3位と打撃主要タイトル獲得も現実味を帯びてきた。新人最多本塁打記録(31本)ならびに新人最多打点(96打点=2リーグ制以降)も夢ではない。最終的にどれだけの成績を残すのかは虎党のみならず、今やすべての野球ファンが注目するところだろう。

シーズン終了後の評価も規格外なスケールになることが予想される。新人の2年目最高昇給額はソフトバンク・和田毅投手の6500万円(2003年、1500万円→8000万円)。当時の和田は26試合で189イニングを投げ14勝5敗、防御率3・89。新人王に輝くとともに、チームの日本一にも大きく貢献した。

球界関係者は「佐藤輝の1年目の評価が和田を上回る可能性は十分にある。実際に新人野手としては、ほぼ前例がないほどの数字を残しているわけだし」とした上で「チームによって査定の仕方は違ってくるが、やはり和田が当時に残した成績がひとつの基準になってくる。新人王の獲得は前提としてチームの優勝、日本一にまで貢献。阪神は調子がいいわけだし、可能性は十分にあるんじゃないかな。さらに打撃主要3タイトルのうち、どれか一つを獲得できれば相応の評価をされるのでは」と見解を示した。

阪神は現在2位・巨人に5ゲーム差の首位と、悲願の16年ぶりリーグ制覇と36年ぶり日本一へ向け視界良好。そのど真ん中で打線をけん引しているのは間違いなく背番号8だ。1年目での〝億超え〟も不可能ではないはずだ。

=金額は推定=

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