路面電車 大人運賃140円に値上げへ 10月から 長崎電気軌道

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 長崎市内で路面電車を運行する長崎電気軌道は23日、大人運賃130円を140円に値上げすると発表した。同日、九州運輸局に申請し、認められれば10月1日から改定する。普通運賃としては全国で最も安い水準を維持する。子ども運賃70円は据え置く。
 改定は2019年4月以来2年半ぶり。改定率は7.69%。定期や団体運賃のほか、1日乗車券500円(子ども250円)を600円(同300円)に値上げする。
 同社によると、近年はインバウンド需要や二つの世界文化遺産の登録による一時的な利用者増加があったが、沿線の人口減少に加え、昨年来の新型コロナウイルス禍による利用者減少が響いた。一方、ICカード乗車券「nimoca(ニモカ)」やバリアフリー対応の超低床車両の導入など大型投資がかさみ、来年度には長崎駅前停留所の改良も予定している。
 20年度の輸送人員は、前年度比35%減の1061万7千人。軌道部門収支の赤字は19年度の6859万円から、20年度(推定)は3億7697万円に拡大する見通し。同社の試算では運賃を140円に引き上げても、22~24年度の平均収支は544万円の赤字を見込む。
 同社は「経費縮減などの経営努力を続けてきたが、人口減少にコロナ禍が追い打ちをかけた。引き続き、安全性の確保とサービス向上に向けた設備投資を継続するため」と値上げの理由を説明した。