小此木氏、25日に閣僚辞任 横浜市長選出馬準備を本格化

横浜市長選への出馬を表明し、記者の質問を受ける小此木国家公安委員長=6月22日午前、内閣府

 任期満了に伴う横浜市長選(8月8日告示、22日投開票)を巡り、出馬を表明している小此木八郎国家公安委員長兼内閣府特命担当相(56)=衆院神奈川3区、自民党=が25日に閣僚を辞任する意向を固めたことが24日、関係者への取材で分かった。

 開幕を1カ月後に控える東京五輪・パラリンピックの警備トップを務めており、菅義偉首相(神奈川2区)は後任の人事を急ぐ。昨年9月に発足した菅内閣の閣僚辞任は、五輪担当相から五輪・パラリンピック組織委員会会長に転じた橋本聖子氏に続いて2人目。

 複数の関係者によると、小此木氏は25日午前の閣議後会見に臨んだ後、同日午後にも自身の出馬について会見を開く方向で調整している。今後、市長選出馬に向けた準備を本格化させるとみられる。

 小此木氏は今月19日に地元の県議や市議らを集めた会合で出馬の意向を伝達。その際に、市が進めているカジノを含む統合型リゾート施設(IR)の横浜港・山下ふ頭への誘致に反対する方針を明かしたという。22日の閣議後会見で出馬の意向を明らかにしていた。

 小此木氏は当選8回。2017年に国家公安委員長兼内閣府特命担当相で初入閣。昨年9月、菅内閣の発足に伴い再入閣した。父彦三郎氏は通産相、建設相などを歴任し、菅首相は彦三郎氏の秘書を務めていた。

 市長選には立憲民主党県連が横浜市立大教授の山中竹春氏(48)の擁立に向けて最終調整しているほか、横浜市議の太田正孝氏(75)、動物保護団体代表理事の藤村晃子氏(48)、元衆院議員の福田峰之氏(57)がそれぞれ無所属での立候補を表明している。現職の林文子市長(75)は態度を明らかにしていない。

 IR誘致の是非は市長選の大きな争点になると見込まれるが、現時点で山下ふ頭への誘致に明確に賛成している立候補予定者はいない。

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