【新型コロナ】宮内庁長官、会見で異例の言及「陛下は五輪開催による感染拡大を懸念」

 宮内庁の西村泰彦長官長官が24日の定例会見で、コロナ禍のなか来月開催予定の東京オリンピック・パラリンピックについて、陛下が開催によって感染拡大にならないか懸念されていると拝察していると述べた。陛下のこの状勢に関する受け止め、お気持ちなどについて宮内庁長官が言及するのは初めてで、極めて異例だ。

西村長官「関係機関が連携して感染防止に期していただきたい」

 天皇陛下は来月開催される東京オリンピック・パラリンピックの組織委員会名誉総裁を務められている。その関係で、西村長官は24日の定例会見で開催について触れた。まず、陛下が「現在の感染状況を大変心配されておられます」と述べ、さらに「国民の間に不安の声がある中で、開催が感染拡大に繋がらないか、ご懸念されている、心配であると拝察いたします」と述べた。陛下の様々な事柄に対する受け止め、お気持ちを宮内庁長官が発言することは度々あるが、この件に関しては初めてだ。

 西村長官はさらに、開催にあたっては「組織委員会をはじめ、関係機関が連携して感染防止に期していただきたい」と、感染対策の徹底を関係者に訴えた。宮内庁関係者がこのように政策に関し発言することも異例で、陛下が側近に対しかなり懸念を示されていることがうかがえる。

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