【宝塚記念/追い切りジャッジ】レイパパレは「S」評価 自己ベスト更新「逞しさが格段に向上」

■レイパパレ

【中間調整】前走の大阪杯は4カ月ぶりの出走。その前走時で422キロと華奢な馬だが、力を要する重馬場をものともせず軽快に逃げ切り無傷6連勝でGIウィナーとなった。大阪杯を走る前の時点では、次戦としてヴィクトリアマイルあたりが視野にあったようだが、レースの結果を踏まえ方針を転換。4月27日にキャロットクラブのHPで宝塚記念参戦が表明された。中間は牧場でじっくりケアを施し、きっちり仕上げてからトレセンに戻すのは大阪杯時同様。6月13日に帰厩後の初時計として坂路14-14をこなすと、1週前追いにあたる16日の坂路併せ馬では悪い馬場をものともせず、鋭い切れを見せ先着した。

【宝塚記念2021/追い切りジャッジ】クロノジェネシスに辛口「B」評価 「闘争心は万全ではない」

【最終追い切り】1週前の併せ馬で闘志注入が完了しており、今週は単走での調整。序盤はブレのない、リズミカルな脚捌きで登坂すると仕掛けられたラストでは機敏にギアを上げ、鋭く切れた。4F全体51秒6(一杯)は、自己ベストを大きく更新する数字。とても単走とは思えない気迫十分の走りが印象的だった。

【見解】トレセン入りしての本数が物足りなく感じるが、前走も同様の調整で勝利。華奢な馬ということもあってか、ギリギリまで牧場で調整したほうがいいタイプなのだろう。調整ペースは前走を踏襲しているが、逞しさが格段に向上したようで攻めの強度は数段階上。自己ベストを更新してみせたように、肉体のパワーアップぶりは著しい。とにかく今週の動きが絶品。最高潮の状態で7連勝を目指す。

総合評価「S」

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著者プロフィール

西村武輝(にしむらぶこう)●フリーライター
競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。現在、UMAJIN.net「競馬サロン」においては毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。

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