【宝塚記念/追い切りジャッジ】クロノジェネシスを上回る「A」評価 「心身のバランスは相当いい」

■カレンブーケドール

【中間調整】前走の天皇賞・春は道中3番手あたりから直線残り1ハロンで先頭に躍り出る、見せ場十分の3着。その後在厩で宝塚記念に向けて調整されている。さすがにGIを走った疲れは出たようだが入念にケアを施し、5月27日の坂路14-14で素軽く動いて回復ぶりをアピールした。しばらく14-14ペースの調整を続け、2週前追いとなる6月9日の坂路追いで4F53秒2-1F12秒3(馬なり)という時計をマーク。併せたオープン馬をアオって併入しており、ここでレースに向かう闘志をしっかりかき立てることができたようだ。1週前追いには戸崎圭太騎手が騎乗。先行馬との差はかなりあったが、コーナーでロックオンすると気迫を前面に出して取り付き、最後まで馬なりのまま1馬身の先着を果たした。

【宝塚記念2021/追い切りジャッジ】クロノジェネシスに辛口「B」評価 「闘争心は万全ではない」

【最終追い切り】1週前の併せ馬で4F51秒8と速い時計を出したのが実質の最終追い。レース当週はバランス調整に専念した軽めの内容となった。僚馬2頭を大きく先に行かせたが、敢えて追い掛けずグッと闘志を溜め込む。直線ではラチ沿いをリズミカルに駆け上がり、直線なかばの促しにスッと反応して鋭伸。

【見解】牡馬相手のGI、しかも3200m戦で力を出し切って3着。相当ダメージが残る状況なはずだが、この中間の動きを見るかぎり順調にしっかり回復を果たしたようで“厩舎力”の高さには畏れ入るばかりだ。1週前で猛然と相手に食らいついた気迫、そして今週で見せた我慢の利いた雰囲気と精神面のバランスは相当いい状態にありそう。一連の好気配を維持できている。

総合評価「A」

◆【宝塚記念2021/追い切りジャッジ】レイパパレは「S」評価 自己ベスト更新「逞しさが格段に向上」

◆【宝塚記念2021/追い切りジャッジ】推定7番人気以下の伏兵に「A」評価 「状態は確実に前走以上」

◆【宝塚記念2021/枠順・過去傾向】クロノジェネシスの5枠は過去10年で未勝利、最多7勝の8枠にキセキ

著者プロフィール

西村武輝(にしむらぶこう)●フリーライター
競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。現在、UMAJIN.net「競馬サロン」においては毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。

© 株式会社Neo Sports