悔しい4位に 悲願の王座制覇はならず

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6月19・20日、静岡県のつま恋リゾートにて全日本学生王座決定戦(王座)が行われた。早大女子からは4度目の王座となった中村美優主将(スポ4=北海道・旭川北)、昨年に引き続き選ばれた高木陽菜(スポ4=東京・国際基督教大高)、髙見愛佳(スポ2=東京・足立新田)、1年生の園田稚(スポ=東京・足立新田)の4人が出場した。決勝ラウンド2回戦の慶大にストレート勝ちを収めるも、準決勝で日体大に破れる。3位決定戦では3年連続で同志社大との対戦となったが、三度目の正直はならず。4位で大会を終えた。

初日は予選ラウンドが行われた。普段から風の強いことが多い会場だがこの日は雨も強く降る展開に。雨の影響はあまり受けないと以前から語っていた園田は「最初は良い点数が出なかった」と振り返ったが、第5エンドで60点を出すなど予選個人トップの成績を収め、チームの貯金を稼いだ。雨が苦手という主将の中村も「前半は点数が伸び悩んだ」と語ったが、後半は持ち直し個人7位の成績でまとめる。高木と髙見は得点に波が出てしまい、優勝候補の近大、日体大などと比較してやや遅れをとってしまう。それでも「当たるエンドは何も考えなくても当たった」(高木)、「自信を持って射て(うて)た射が多かった」(髙見)と、チームとしても翌日の決勝ラウンドでシードとなる3位で初日を終えた。

決勝で行射する中村主将

風はあるものの、晴天となった翌日の決勝ラウンド。まずは早大にとっての初戦、準々決勝で慶大と対戦し、6-0のストレート勝ちで危なげなく勝利を収める。続く準決勝では、関東で早大と争う強豪の日体大との試合に。2セット目終了時は3-1で早大がリードするも、3セット目、4セット目ともに接戦で落としてしまい、惜しくも決勝へ駒を進めることはできなかった。王座制覇のためには絶対に勝たなければいけない 試合だったが、「自分らしい射ができなかった、決めきれなかった」(中村)と、緊張する選手も多く接戦で勝ちきれなかった。

それでも気持ちを切り替え「最後の試合なのでみんなで楽しんでいこうと考えていた」(中村)という3位決定戦に挑む。相手は奇しくもこの王座で2年連続敗れている同志社大になった。昨年の悔しさを味わった選手も多く「リベンジを果たしたいと思っていた」(高木)と強い思いで臨んだ試合。1セット目を先取するも2、3セット目を取られてしまう。第4セットは早大も粘ったものの、あと1点が遠かった。引き分けに持ち込めず、今年も敗北に終わった。

決勝で的を見据える高木

王座制覇を目標にしていた中での4位。この結果に納得している選手は誰一人いない。また、チームを支えてきた中村、高木をはじめとした4年生はこの大会で引退となる。「女子チームは美優さんがいたから強くなれた」(髙見)、「一緒にいて安心できる先輩ばかりなので、一緒に王座に出られてよかった」(園田)と語るように4年生への思いは大きい。60代の思いを受け継ぎ、また新たにリベンジに向け挑戦し続ける。

(記事 森山裕介、写真提供 雑誌アーチェリー、早稲田大学アーチェリー部)

王座に出場した選手たち

結果

▽予選ラウンド

女子団体 3位 1855点

▽決勝ラウンド

準々決勝 〇早大6-0慶大

準決勝 ●早大3-5日体大

3位決定戦 ●早大2-6同大

コメント

中村美優主将(スポ4=北海道・旭川北)

――今の気持ちを教えてください

4年間王座を制覇できなかったので悔しく、不甲斐ない気持ちでいっぱいです。もっとできることがあったのではないかと思って、みんなに恩返しがしたかったです。

――予選の調子はどうでしたか

予選は7位で点数差も大きかったのですが、予選で順位が決まるわけではないので、とても緊張した感じはなかったです。雨が強い中でもっとちゃんと射てたと思っていて、大きなミスが出てしまい前半は点数が伸び悩んだことが反省です。2日目につなげられる射をもっと射っておけば、順位も上になり今日につながった と思っています。

――雨の影響はありましたか

私は雨がすごく苦手で雨も風もある中で上下左右にばらけてしまうことがあり、射つことが難しかったです。引く方の手が滑りやすくなってしまうこともあり、真っすぐ射つ ことが難しく当てきれなかったところかなと思います。

――予選はシードを取れました

園田稚が個人1位を取ってくれてすごく頼もしかったです。他の3人が稚に続けなかったと思っていて、コミュニケーションは取れたと思いますが、主将としてもう少し声をかけられたかなと思っています。3位はとても良いですがまだできる事があったと感じています。

――日体大戦を振り返ってください

早稲田にとっては2回戦だったのですがとても緊張し、他の選手も緊張していて、4番手の髙見愛佳や監督、コーチが励ましてくれました。2日目は天気は良かったですが風が少しあって自分らしい射ができなかっ た、決めきれなかったかなと思います。王座制覇のために絶対に勝ちきらないといけない一戦でしたが、周りが見えたり自分の射ができていたりすればなと思いました。

――昨年の決勝で戦った同志社大との試合は

2年連続で同志社大に負けていたので絶対にリベンジするという気持ちもありつつ、決勝に行けなかったショックもありました。本当に最後の試合なのでみんなで楽しんでいこうと考えていました。自分の中では、ブロンズマッチが一番自分らしく射てましたが、大事なところで決めきれなかったりミスをカバーできなかっ たりしてしまいました。また主将としてチームの緊張を和らげることがもっとできたと 思っていて、最後は勝ちきりたかったので悔しい思いが大きいです。

――2日間のチームの雰囲気は

練習から4人でしていて良い雰囲気がつくれて いましたが、当日は緊張したり、追い込まれたときに焦ったりすることがあり、それが選手の顔に出てしまいました。一発勝負なので難しいですが試合自体は楽しめても、それぞれ悔しいとかもっとできたとか感じていると思います 。

――4回の王座を振り返って

1年生の頃から出させていただいて、絶対に制覇して早稲田の日本一を証明したいと思っていたので、4年間達成できなかったのは残念であっという間だったなと思います。しかし、早稲田大学のアーチェリー部はとても楽しく幸せだったと思っているので、この夢は後輩に託して来年以降、王座制覇を成し遂げてほしいです。

高木陽菜(スポ4=東京・国際基督教大高)

――今の気持ちを教えてください

悔しさの残る試合でした。仲間とともに楽しむことはできましたが、自分の実力不足を感じる試合になってしまい悔しいです。

――予選での雨の影響は

雨の中で慣れなかったですが、普段からこの会場は風が強いことが分かっていたので、雨が強くても風がなかった分、気持ち的には落ち着いていました。

――予選の点数は

点数に波があったと思います。当たるエンドは何も考えなくても当たっていましたが、一つ外すと崩れてしまったエンドがあったのでメンタルの弱さを感じました。

――チームは予選3位でした

この順位は園田稚と中村美優のおかげだと思っていて、頼もしい2人だなと感じたので、翌日も2人を信じて頑張ろうと思っていました。

――2日目準決勝の日体大戦を振り返ってください

一番悔しさが残る試合で、もう1回勝てば決勝に行ける場面で私が大きく外してしまったところがあったので、ちゃんと射てていればという気持ちでいっぱいです。

――同志社大戦はどうでしたか

去年のリベンジを果たしたいと思っていました。結果的に当てなければいけないエンドで当てられずにチームの足を引っ張ってしまい申し訳ないと思っています。

――2日間を振り返って良かったと思うところは

4人メンバー仲が良いので楽しめましたし、監督、コーチを含めて信頼できるメンバーと試合に出られて良かったです。気持ちの面で最後まで諦めずに楽しんで射てて良かったです。

――王座で一区切りになると思うがこれまでを振り返ってください

高校から始めてスランプがあるなどアップダウンが激しいアーチェリー人生だったと思います。その中で一生の付き合いになる友達や先生に会えたので本当にアーチェリーをやっていて良かったなと思います。

髙見愛佳(スポ2=東京・足立新田)

――今の気持ちを教えてください

去年から王座制覇を目指していて、先輩と出られる最後の試合なので、悔しいのが一番です。2日目はサポートに回りましたがやっぱり自分が射ちたかったし、サポートでももっとやれることもあったかなと思います。

――予選を振り返って

緊張がなく今までの試合で一番射てたと思っていたのですが、2日目の3人に入りたいという気持ちが薄くて集中ができていなく、それが大きなミスにつながったと感じています。しかし、自分の中では数少ないちゃんと射てた試合だったので、成長が感じられる部分はあったと思います。

――良かったと思うところは

一度、射つことが怖くなってから試合になると、悪いイメージがでて緩んでしまうなど、自分のしたいことができなかったのですが、今回の王座は自信を持って強く射てた射が多くて、緩む射がほとんど無くミスも上ばっかりだったので、私の中では点数には結びつかなかったが練習で改善できるなと思いました。

――2日目はサポートだったがチームの雰囲気はどう見えましたか

雰囲気は良かったと思っています。しかし、先輩方が最後で稚(園田)も最初なので、緊張が大きかったので、私が緊張をほぐせなかったのがもう少しできたなと思うところです。

――先輩の姿を見て思ったことは

4年生の姿は偉大だと改めと思いました。美優さん(中村)は女子主将として点数でも技術でも精神面でも引っ張っていて、美優さんはそんなことないとおっしゃっていますが、私の中では大きい存在です。女子チームは美優さんがいたから強くなれたと思っているので、いなくなることが信じられないのですが、自分がうまくなりたいと思わせてくれた初めての先輩のためにもっと勝ちたかったです。陽菜さん(高木)はいつも仲良くしてくださって去年も一緒に王座に出て、緊張はされていましたが、負けたときの悔しさを身にしみて感じました。その2人が感じた悔しさの分も来年、再来年と自分たちがリベンジしなければと思いました。

――今後の課題と意気込みを教えてください

4年生がいなくなるので矢原七海さん(スポ3=福岡・柏陵)が女子主将になられるのですが、一緒にもっと女子チームを強化していかなければと思っていて、4年生が抜けた後のチームの雰囲気は想像できていないので、チームの雰囲気作りに貢献したいです。自分の課題としては点数の波を安定させて、髙見がいれば大丈夫だねと思ってもらえる存在になりたいです。

園田稚(スポ1=東京・足立新田)

――今の気持ちを教えてください

順位は4位でしたが、先輩方と楽しく試合をすることができて、初めての大学での試合も経験できたので良かったです。

――予選は個人トップだったが調子は良かったですか

全体的にみると良かったですが、最初から良い点数を出すことができていなかったので、最初から同じような点数を出せるように練習をしていかないといけないと思いました。

――雨の影響を受けないと言っていたが

元は緊張していましたが、いつも通りやればいいじゃんと気づいたところからは上がり始めたのでそうなのかなと思います。

――早く射つのが得意だと言っていたが2日目はどうでしたか

できるところはできましたが、ちょっと長いなと思うところもありました。

――準決勝の日体大戦を振り返って/strong>

10点が必要だなと感じた試合でした。10点を射つと相手のプレッシャーになるし、一番手として何本10点に入れるかで試合の流れが変わってくると身にしみた試合でした。

――ブロンズマッチの同志社大戦を振り返って

先輩方から2回負け続けていることを聞いていたので、ぜひ先輩たちに同志社に勝つ力添えが出来たらと思っていましたが、思ったように成績が出ず申し訳ないという気持ちがいっぱいでした。その悔しさをバネに次につなげて、来年こそ時自分の力を出し切って、同志社に勝ち王座制覇をしたいと思いました。

――初めての王座で先輩方を見て感じたことはありますか

王座の雰囲気をよく理解されていて、自分が緊張していたら緊張しなくて大丈夫だよと、周りに気配りもされていて、自分もそういう先輩になれたらと思いました。一緒にいて安心できる先輩ばかりなので一緒に王座に出られて良かったなと思いました。

――初めての王座を振り返って

初めての王座で慣れないことをやるので失敗しても良いよといった雰囲気でしたが、4年生の先輩方は最後の王座なので自分がミスするわけにはいかないと考えていました。ミスもありましたし、できたという自信に繋がる場面もあったので、自分の中で整理して次は勝てるように準備や練習をして、先輩から意志を受け継ぎ自分も後輩に渡せるようにしたいと思いました。

――今後の課題や意気込みを教えてください

コロナで試合が少なくてどこを目指すかあまりはっきりしていないですが、早稲田大学のために精いっぱい頑張って、みんなが勇気づけられるアーチェリーをしていけたらと思っています。個人としてもこれから世界大会にたくさん出場して経験を積んで、最終的にはオリンピックに出場してメダルを取れるような選手に成長出来たらと思っているので4年間頑張っていきたいと思っています。